低価格なら100点だった
二次元ドリームノベルス作家の中でも変身ヒロインへの拘りに定評のある黒井弘騎によるテキストは、このジャンルの中でも出色の出来。
黒井氏独特の早口言葉のような卑語は声優の熱演と相俟って非常にエッチいです。
そういうわけで、抜き方面に関しては、触手と変身ヒロインのどちらかにでも引っ掛かる人にとってはマストな作品といえるでしょう。
ただ、細かい部分でやや微妙な点あり。
・根本的にCGが少ない。低価格ゲー並とまでは言わないが、ミドルプライスであればもう少し頑張ってほしかった。
・背景も非常に少ない。後半は殆ど黒背景になってしまう。
・台詞の途中でもバックグラウンドにあえぎ声が流れるため、聞き取りにくい上にそもそも不自然(これをカットするにはSE全体をミュートにする必要がある)。
・触手を前面に押出し過ぎて、淫妖蟲などの伝奇系触手モノとの差別化があまり感じられない。
他に、ヒロイン自身が「変身ヒロイン」に偏執的な拘りをもっているのは完全にシナリオライターの自己投影で、人によってはややつらいかもしれません。
また、その割に作品で扱われる地理的・人間関係的な範囲がおそろしく狭く(登場人物は主人公と同じ部活の友人と部活の担任のみ)、どうも「正義のヒーロー」としての存在感が弱い気がします。
毎回毎回、バッドエンド選択肢を選ぶまでもなくガンガンにやられてしまうのもちょっとどうかな。
全体的には、フルプライスにしてもう少し練り込んでほしい、惜しい作品と感じました。