星空のメモリアには及ばなかった。長文は星メモとの比較が主です
自分にとって思い入れの深い星空のメモリアと同じライター同じメーカーなので比較対象にさせてもらうが、設定の深さとテーマの深さ、それをまとめる構成力に関してはさすがなかひろさんという感じだったけれども、残念ながら他の点では一歩、いやもう少し及んでいない感を受けた
もちろん簡単に比べるようなものではないのかもしれないけれど、少なくとも自分は、あの星空のメモリアをコンプリートした時の喪失感、充足感、そして最終ルートを進めていく最中に感じた、様々な要素が集結してくるような爽快感というものを、強く感じ取ることができなかった
それは多分、星空のメモリアが各キャラ個々人の過去の経験や想いを最終ルートに集めているのに対して、この作品が、エルフィンという存在であったりそこに起因する自身の想いという、言わば間接的なものを集めているという違いから来るものなのだと思う
ここに関しては感じ方の違いはあると思うが、自分は上述の理由で、シナリオを読んでいく中でどうしても各個別ルートと最終ルートとの「繋がりの薄さ」を感じてしまった。そこがいまいちこの作品に星メモのような評価を出せなかった一因だと思う
もちろんファンタジー性の強いテーマを家族愛と絡めて最後まで綺麗にまとめきったシナリオは、他の80点台作品と比較して少し抜けて見えるほどクオリティは高い。自分がこの点数にした点はあくまで「星空のメモリアとの比較」という観方をしたからだということを念頭において欲しい