孝之のヘタレっぷりがどうしても肌になじめず。演出面など素晴らしい点も多かっただけに残念。
水月シナリオのラストには本当に感動しました。
実はその時点で90点オーバーが確定してたのですが、他のシナリオを進めるうちに次第に評価が下がってしまい結局この点数に。
理由の一つはあゆ・まゆ・蛍のあまりに現実離れしすぎたキャラクター。
2章は遙と水月の間で揺れて葛藤する孝之の物語を全編シリアス展開で進めて欲しかった私としては(例えるなら『加奈』のように)、この3人の何やら狙ったようなキャラは存在自体がNGでした。
そして減点の最大理由は誰もが指摘してますがやはり孝之のヘタレっぷり!
この主人公にシンクロするのは私には無理。
一度タイガー・ジョーの元で人格形成をやり直して来て欲しいくらいです。
遙と水月の間で結論が出ずに悩むのはまだわかります。
(と言っても許容範囲を超えていましたが)
しかし遙が3年振りに目覚めた段階になって2人以外の女性を選ぶのであれば(本来ならそれもありえないと思いますが)、孝之にはそれだけの説得力を持った理由と行動をみせて欲しかった。
それなのに・・・
あゆ&まゆシナリオは恋愛に至る過程、遙・水月に対する態度でヘタレっぷり大爆発。
正直、話を進めるのが苦痛でしかありませんでした。
蛍シナリオは孝之のヘタレ感もなく話としてもよくできてると思います。
(最初のきっかけは・・・だけど)
しかし別シナリオで遙・水月の孝之に対する強い想いを知ってるだけに、2人があっさり身を引くのは納得できないものがありました。
ラストの感動のためだけに製作者側が遙・水月の修羅場描写を避けたように思えてなりません。
あくまで『君望』は3年前の悲劇から続く孝之と遙と水月(と茜)の物語。(あれ?慎二は??)
この部分を奇麗事で誤魔化してしまった蛍シナリオはラストも感動できませんでした。
問題の愛美シナリオは・・・・・完全に本来の主題からかけ離れた別物語ですね。
まぁヘタレ孝之の行動が招いた一つの結果としてこれはこれでいいのかもしれません。
少なくともあゆ&まゆシナリオよりは退屈しませんでした。
ただ監禁状態から脱出したのに警察にも駆け込まない孝之、痩せこけて地面に這いつくばり明らかに様子のおかしい孝之を見て何とも思わない慎二と水月など、話として無理があるような気もしました。
愛美シナリオのようなバッドエンド展開は嫌いではないです。
(って愛美シナリオは一応ハッピーエンドだっけ??)
しかし、
雨の日に遙の見舞いに行かない
→ 翌日遙が狂ったように孝之の体を求める
→ その帰りに茜が事故にあう
という「茜バッドエンド2(茜昏睡)」のように選択肢1つを変えただけで突然訪れる取って付けたような展開は受け入れられません。
狂うなら狂うでそれなりの過程を見せて欲しいです。
不幸な結末だろうとそこへ辿り着くまでの過程がしっかりと記されている「茜 妊娠エンド」などは高く評価しています。
全体的な感想としてサブヒロインシナリオの必要性が感じらなかった事が最大のマイナスポイント。
孝之のヘタレぶりを強調しただけですし・・・
遙・水月・茜シナリオのみに絞っていたら+10点上乗せするくらい『君望』という作品を評価しているだけに悔やまれます。
最後に『ほんとうのたからもの』で個人的に気になった事を2点ほど。
1つしかない木の実の使い道でけんかをしてしまい皆が去っていく場面の挿絵。
よく見ると木の実が4つ(5つ?)付いてるような・・・
これはミス?
それと最後の4匹のオコジョが丘の上で集まっている挿絵。
これは後日皆が再会した場面だと思っていたのですが背後にある木はまだ小さい時の状態。
と言う事はこれはハルの中の皆でいた頃の思い出?
作品の意図を考えれば再会場面という解釈をしたい所だけど・・・
『君望』で一番好きなシーンだけに細かいところまで気になりました。
最近発売されたDVD版ではどうなってるんでしょうか?