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gout100さんの言の葉舞い散る夏の風鈴の長文感想

ユーザー
gout100
ゲーム
言の葉舞い散る夏の風鈴
ブランド
シルキーズプラスDOLCE
得点
80
参照数
513

一言コメント

ところどころ某はれたかと似ている。良い意味も悪い意味も…

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

はれたかが大好きな自分にとっては間違いなく楽しめるゲームだった。しかし、はれたかに勝る部分はほぼ皆無なので、所詮劣化コピーと言われても仕方ない。

シナリオ面においては、ロケット部が声優部に変わったところ以外は構成がほぼ同じ。はれたかと同様にだるいルート一つもなく最初から最後まで面白かったが、青春・友情・努力・挫折などなど、何一つも同ライター比足りてない感をどうしても払拭できなかった。

キャラ作りに関しては、範乃先生の過去作を遡ると、悪く言うとワンパターンのところがある。はれたかからアペイリア、そしてことなつ、ツンデレメインヒロイン(有佐、美羽、詞葉)、天然電波系年上お嬢ちゃん(那津奈、久遠、仰子)、病弱・障害者(夏帆、ましろ、奏)、年下orロリ系(ほのか、アペイリア、ゆう)と、似たり寄ったりの配置になっている。しかもこのゲームは奏以外は、はれたかやアペイリアの同タイプのキャラに比べると薄く感じる。特に仰子先輩なんかは酷かった。まあそもそも毎回必ず人気最下位になる誰得天然電波系年上お嬢ちゃんキャラをしつこく用意する範乃先生の性癖が特殊すぎる話だし。

テキストは萌えゲー寄りの面もあるか、ファンにとっては範乃節が足りない。下ネタが自粛されていたところが痛い。読みやすいテキストではあるが、笑い担当は倉島丈さんのオカマ演出しかないため、味が淡い。

グラフィック面はひなたもも先生が好き。塗りもいつものシルプラクォリティで満足。海辺でゆうとつなぐイベントCGなど本当に最高。が、立ち絵がワンパターンで、背景に至っては写真処理で誤魔化など、所々手抜き感満載の省エネ工事は本当に我慢できない。シルプラさんの熱意ははれたかの時のChuablesoftさんの半分もないね。よいライターと絵描きを連れに来ただけでよいゲームが出来上がりと勘違いしたではないでしょうか。せっかくよい外注さんを捕まったら、もっと全力でサポートしてあげて、活かしてくださいよシルプラさん!

総じては良作ではあるが、はれたかをプレイ済みの自分から見ては小粒感が目立つ。