「PC版の劣化移植」+「不完全(未完成ではない)な中編シナリオ」というソフト内容をどう評価するか・・・私は信者補正でこの点数ですが。
PC版の「贖いの少女編」から18禁シーンをゴソッと抜き取り、
余った予算で、キャラや話は魅力的だが内容に隙間の多い、別の中篇シナリオを新しく追加した作品。
PC→コンシューマへの移植作として、1本のソフトとして見れば十分なボリュームなのだが、中のシナリオを2本に分けた為に、どちらのシナリオの完成度も不満足という、評価に困るソフト。
PCから移植の「贖いの少女編」は、PC版ですら個別ルートが少ない、Hシーンだけで個別エピローグが無い・・・という感じの欠点が目に付いたのに、そこからさらにHシーンも省いて、その差し替えの追加CGも無し、という内容。
本作から初めて11eyesをプレイする人は、クリア後の達成感の薄さに「アレ?」と思うのではないでしょうか。
追加シナリオ、「虚ろなる鏡界編」
XBOX360移植の目玉。PC版ユーザーの前にぶら下げられた美味しそうな釣り針。
正直、3days、PC版11eyesを遊んで、ハマってきた私にはとても美味しそうに見えて、迷わずX360購入に至りました。
しかし、遊んでみると、内容のボリューム不足に「アレ?」と感じさせられます。
キャラクターはとても魅力的ですし、シナリオも面白いのですが、1ヵ月というゲーム内の時間の流れに対して、イベントが少ない。
特にドッペルゲンガー出現後の中盤以降、ラストバトル終了までスキップで20分ほど。
ゲーム内の日付も10月9日→19日と何のイベントも無くいきなり飛んでしまいます。
各ヒロインとのデートイベントも中盤にある1回のみでエンディングまで個別ルート殆ど無し。
キャラもストーリーも面白く、物語も一応完結しているのですが、
どうしても「もっと色々詰め込めただろ?」と言いたくなってしまう出来なのです。
賛否両論有ると思いますが、個人的には、きちんと内容を詰め込んだ「鏡界編・完全版」をPC移植でもX360でもいいから作って欲しいです。
修、澪、汐音、かなえなど、この半端なシナリオ1本で眠らせるにはあまりに惜しいキャラたちですから。
ここから、新キャラ4人+新攻略キャラの個人的な感想を。
重要なネタバレありなので、読む人はご注意を。
主人公・天見修
「贖いの少女編」の草壁美鈴に匹敵する万能キャラですね。
魔術も体術も出来て頭脳も明晰、その上に才能を隠して生きる処世術まで知っていて、嫉妬する隙すらありません。
コイツならモテても納得。性格もいいヤツですし。
贅沢を言えば、ぜひ声優さんを付けて欲しかった。
紅野澪
ストレートな発言が印象的な委員長&現代魔術師。
皐月駆のことを「ああいう篭ったタイプはキライ」とキッパリ言う場面有。
努力家で負けん気が強い性格はエヴァのアスカを思い出しました。
でも、親友の吾妻汐音に「人が人に迷惑をかけるのは当然のことなんだから」と言う思いやりのある面も有り。
吾妻汐音
おとなしい癒し系。デザイン的にピンクの髪と大きな目に拒絶感がありましたが、接してみると、とても物腰の柔らかいキャラで心が安らぎます。
水奈瀬ゆかのような、主人公に纏わり付く印象も無く、道端に咲く花のような娘です。
物語最初に告白してきた彼女と結ばれるのが1番王道っぽいエンドのような気がします。
黒芝かなえ
発売前からトゥーレ疑惑が挙がっていましたが、直球ストレートでした(笑)
リーゼロッテの奈落落しを阻止するために、いろいろやってましたが修に阻止されます。
草壁美鈴が「正」の要素を凝縮したキャラなのに対して、妖艶な「魔性の魅力」を感じさせる良いキャラですね。
エンディングで再び修をトゥーレに引き込もうとする、闇なエンディングを期待してたのに、そのままタイトル画面に戻った時はガックリきました。
百野栞
修の視点からだと物凄くインパクトの強い登場の仕方をしますね。ここまで禁書目録聖省って恐れられてるのか~と。
畏怖すべき禁書目録聖省の使徒→不思議な魅力を持った少女と、主人公の彼女に対する見方が変わっていくのは個人的に大好きです。
汐音と並んで、栞のエンディングも好きだったりします。
奈月香央里
うーん、良い娘なのだけれど、蛇足感を強く感じるヒロインでした。
同じ一般人と恋仲になるなら、最初に告白してくれた汐音と付き合うほうが、やはり誠実な気がするからなぁ・・・。
「香央里も攻略したい!」というファンの要望に素直に応えました。という感じですね。