なるほど、これがkeyの世界観。このブランド初めてプレイしたわけだが、文学と言われたり信者がいる理由が良くわかった。ただし総合的におもしろいかといわれるとそうでもない。しかしそれでもこの点数つける。だが、来ヶ谷ルートの考察に散々悩まされ、無駄に時間を使った。そこだけは失敗。採点もいつもより甘くつけてます。
先に記述の通り、このブランドが愛される理由が良く分かった。キャラの素晴らしさはもちろんの事。そして、文学的とも取れる文章、
だからといってとっつきにくい訳でもない。笑いも忘れず、泣きの要素もしっかりある。素晴らしい作品だと思う。
しかしながら、私が良かったと思えたルートはrefrain・佐々美・沙耶(あや)の3ルートのみ。
これだけのボリュームがあり、それだけしかなかった点が私には寂しく感じられた。良かったと言いながら沙耶ルートの迷宮は
作業プレイと感じるほど正直ダルかった。
(スクレボエンド見るためにがんばったわけだが・・・ これの為に頑張ったかと思うと何だか悔しくって)
個別が、refrainを引き立てるためというのは理解できる。理樹の成長という意味では絶対になくてはならないものだろう。
しっかり作られていたのも認める。個別があってのrefrainなのだろう。しかし、満足できたかというと話は別。
個別において理樹との結ばれるというのが肝ではない事も分かっている。それでも、それが、砂上の楼閣というのは寂しく感じられる。
そういう意味で考えると、私にこのブランドは向いていないのだろうか・・・
だからこそ、佐々美・沙耶(あや)のルートは肌に合ったといえるのでしょう。
佐々美ルートはifのルート。心暖まるとても素晴らしいシナリオだったと思う。沙耶(あや)のルートは【この世界】の基準に沿いながらも
(沙耶にとって)明るい未来に通じる世界の何かを見出せるルート。そしてそれを明確に表現するわけではなく、余韻でそれを感じさせる
手法は好印象でした。
この2つのルートはrefrainの為ではない独立したシナリオという事もあり、その出来は他の個別とは比較にならない程良かった。
(やっぱり、こういういい話が個人的にすっきりする)
そして、一番困惑したのは来ヶ谷ルート。この作品におけるアンチテーゼとなるシナリオ。考察力に乏しい私には分からない事が多すぎた。
一番決定的だったのは、エンドの舞台がどこの世界を表していたのかが、いまいち分からなかった事。そのおかげで考察サイトも見た。
その舞台は現実の世界であるというサイトをいくつか見つけたが(無印版の考察を含む)、自分の中で納得できなかった。
告白エンドの時期が秋の日と時間が進んでいるからといって、現実の世界と結びつける事に抵抗があった。
しかしそれも、EX加筆シナリオという観点で考えればどこの世界での話かわかった。ちなみに、私は無印をプレイしていない。
だから、なぜ現実の世界と認識されやすいかわからなかった。無印に以下の文章なかったんですね。
私は、この世界に取り残された、ただの想い。
ここで想いを抱いた少女の残夢。
想いだけを残して、全ては消え去ってしまった。
名前をなくしても。
言葉をなくしても。
時間をなくしても。
それでも。
それでもなお、想いはここに在り続けたんだ。
私はずっと、ここでそれを待ち続けていたんだ。
きっと、想いを、私を迎えに来てくれるって。
この文章を冷静に読み返して、なんとなく想像できた気がします。ちゃんと、この世界とここって書いてますね。何を悩んでいたのでしょう。
いや、本当に考察サイトみて失敗しました。なんかすっごい惑わされました。無印プレイされた方はとても疑問に思ったことでしょう。
無印を本当にやらなくて良かったとつくづく思いました。もしやっていたら、私の性格的にずっと悶々とした事でしょうから・・・
(無印のいい部分もあるとは思うので、やらなくて良かったというのは言い過ぎかもしれませんが・・・)
まぁ、そこの部分が自己完結できたからといって、このシナリオがアンチテーゼである事に変わりがあったわけではないのですが。
最後に私の評価の基準は、refrain・佐々美・沙耶(あや)・来ヶ谷のルートのシナリオ、キャラの良さ(特に沙耶)、歌で評価している。この部分に関しては良く出来ていたと感じたものですから。
不満点がないわけではないので、いつもどおりの私の判断基準で点数つければ、80点前後になってしまうわけですが、そうするには惜しいぐらいrefrain・佐々美・沙耶には泣かせてもらいました。そんなわけで今作に関しては、少し甘めに採点しております。そこの所は、あしからず。