痴漢ものとしては直球、真っ当至極。時として展開に飛躍が過ぎてプレイヤーがおいてけぼりになるような気がせんでもないが、一個一個の過程をダラダラ書いていても冗長になるだけなのでバランスが難しいのだろう。ただ終始漂う「低価格の抜きゲだしこんなもんだよね」というスタンスには疑問。
田舎から上京した青年が満員電車中でのちょっとしたエピソードから自身の痴漢の才能に目覚め云々。と、まあ前置きは一応形だけ確保しているもののシナリオなどない。
主人公やヒロイン達のやたら実況的なセリフ、強いて意味もなく主人公に助言を与えるサポーター。「リアリズムのクソったれ」といってしまえばそれまでだが全編通して漂う万能ご都合主義なのもまたアレですよね。
あとテキストについて主人公のセリフと状況説明と心情解説とがチャンポンになっており文章がけっこうな異次元っぷり、経過がよくわからくなることが間々。
特に主人公やヒロインの軽い紹介から始まる導入部分から、いざ痴漢行為に至る過程、また痴漢行為から快楽堕ちの過程にはえらい飛躍があり、プレイヤーは置いてけぼりじゃなかろうか。
低価格帯に色々と求めるのはお門違いなのは百も承知だが、せめてタイトルにある「夏服」と「痴漢」くらいはテキストなりCGなりでもっと追求して欲しかったなあ。