短いながらも、主人公とヒロインの背景をメインに描かれていて密度が高い作品だと思いました・
「弟を自分の犬として縛りたい、でも一人の男性として愛する人だから自分を求めて欲しい」という二面性を持つヒロインをあからさまなものではなく、ごく自然なものとして描いた作品だと思いました。
主人公が彼女に触れる事によって氷が溶けていくかのように内に秘めた感情をさらけ出し"姉"ではなく"硝子"という一人の女になっていく流れはまだまだおぼつかないが愛情という芯の太いもので貫かんとする意志のようなものがしみじみと伝わってきます。近親モノいいですね^^
「それでも私は・・・そうして欲しかった。気持ちいいだけじゃ満足できないくらい、私はわがままだった」
硝子は主人公の姉というアイデンティティをほぼ見失っている、そしてそれを自覚しているキャラクターだと思いました。体格もまだ弟より大きく、力で弟をねじ伏せる場面もありましたがその言動の要因は乙女っぽいものである事やなんだかんだ常に自分に対して弟に何かして欲しいという旨意が潜む受け身な女性になっているからです。
幼いのに父親にレイプされかけたという元凶で男性の力強さというものをマイナス、プラスの意味で実感すると同時に弟を異性として見てしまうようになるのは危なげな印象しかありませんが、そんな経験があるゆえに姉らしさよりもこのヒロインに名前の通りガラスのような脆さ、女性らしさを強く感じます。
以上のような事を主人公目線、ヒロイン自らの目線で描かれており、言ってることは同じことなんですが実際のボリューム以上に内容に深みを感じる作品でした。
かのぎのシーンは結構重要っぽいのワロタw