申し訳ないと思い続けないと生きられない生がある。
ロリジャンルを通して伝えたい事が意味深く、今回も気持ち半分真剣、もう半分ロリ要素いっぱいな感覚でプレイしました。
親族の葬儀で出会った少女は、自分が世話になった叔母に預けられていた。
葬儀の支度や後片付けで忙しい叔母の為に、初めて出会った少女を自分は叔母の代わりに家で1日だけ預かる事に
年相応かと思いきやそうでもない、演技をしていると述べる不思議な少女は幾ばくかの年月が経ってから玄関の前で再会することに。
彼女曰く家出したとの事。そんな彼女との再会に戸惑いつつ、昔出会った日を思い返しながら彼女との二人暮らしを始める……
『「ごめん、好き」
相手に悪いと思う言葉とセットになった相手を想う言葉のせいで、謝ることは用意ではなかった。
僕達の符牒は完成してしまっている。』
彼女と主人公の関係性を象徴するこの言葉に思わずハッとさせられます。
主人公にとって愛というものは、相手からの同情、許しと表裏一体なものなのだろう。
自分にとって「生きる」というのは、誰かに迷惑をかけて、その迷惑でできた借りを返すために生きて
その中でまた借りができての繰り返しだと言い、その「借り作らせてもらっていること」に愛があり、
内実その愛によって生きられているという。
彼女と関係を持つことは、彼女に申し訳ない気持ちを被せると同時に
その気持を受け入れて借りを作らせてもらう事。
彼女との関係によって生きていて、彼女から「借りを作らせてもらっている」ことに愛を感じるという
そんな主人公のちっぽけそうに見える思想のスケールのでかさが「深いなあ」ってw
『生きなくちゃと思うのは申し訳ないからだ。』
彼女とのやり取りを通して、自分の経験ではないのに
この一節から「もしかしたらそうかもしれない」と思ってしまうような意味の柔軟さ、そこにはまったかのように今度は
「むしろ内心自分は無意識にそう思っていたのかもしれない」と核心を突かれるような鋭利さを感じます。
「◯◯ということは△△だからだ」の◯◯に普段自分たちが当たり前のように理解したつもりでスルーしてるものを当てはめ、
意味を問いかけてくるのはなんか頭よくなったような充実感を感じれて好きです(笑)
そんなライター様が伝えたいものをまっすぐ?(これは本人様にしかわからないことなので名言できませんが)ぶつけてくる一方、
ロリジャンルとしてのエンタメ要素を盛り込み、僕らの欲望を満たしてくれる。
そして更に、そのエロシーンとメッセージ性を絡ませているテキストは「18禁ゲームだなあ」と本来のあり方を再認識させられます。
非常に楽しめる作品でした。