序盤中盤が全く面白くなく、終盤の種明かしがメインの作品。個人的にはストーリーに突っ込みどころあり
この作品の肝は「文字」の伏線だね
登場人物の名前がずっとカタカナだったり台本が無い映画や美術以外の授業が無いなどの点でこの世界の文字や言語って本当に日本語なのか?って疑問は浮かんだ
しかしとてつもなく上手いことにミスリードに引っかかってしまった
それがリンカの存在であり、彼女は聖書を盗んで文字を書き写した。それによってこの世界にもちゃんと文字があることは印象づけられた(日本語であるかは別として)
しかしよくよく考えてみれば、聖書の内容なんてシスターがいっつも語っているのに何故か生徒が持つには先生から盗むしか無い点。これに気づけなかったのが本当に悔しくてその理由に圧巻させられた
そこから文字を知ることがタブーである事が想像でき、文字を識字できないという結論に至れるように公平に読者に用意されているのに騙せる構図になってるのは本当に素晴らしい
しかし野暮なことを言わせてもらうならば、あんなに徹底して音声による介護をしていたのになんで教職員は聖書は残しておいたんだ。文字が読めないにせよその中身に何らかの意味があると分かっていれば聖書を見たいと思う生徒なんてリンカじゃなくても沢山居そうだけど
あとはチートドラッグ「ミューズ」が個人的には好きじゃ無いかな。序盤の導入で湖が凍っていることと途中のルートで湖が凍っていないことから季節が違うってのは分かるけど、その理由がドラッグで記憶を消すのに304日掛かりましたってのは推理しようが無い
つーかサクヤはあんなチートドラッグを沢山得られる環境に居るなら主人公の記憶を消そうとする前にギドウの記憶を消す道を探せ。304日もかけて入念に記憶喪失者にした奴に1ヶ月もしない内にアポカリプスから住民を救って欲しいとか知能のレベルがとてつもなく低すぎる。しかもここまでやったのにまたアポカリプス阻止されたらどうすんの?それならアポカリプス終わるまで監禁して、住民の避難は自分でやれば良く無いか?サクヤからすれば住民が助かるかどうかは分からないけど、失敗してもシュウとは暮らせるし、アポカリプスを阻止される可能性もあるのに手放して何も分からないシュウが住民を助けるなんてギャンブルにも程がある
案の定、宝くじ1等を狙うようなギャンブルのお陰でユネとシュウがリンゴを食べてなかったら全滅エンドだしギドウが満足したらやり直し出来ないってこと分かってるのか(サクヤが望んでも戻れる可能性もあるが)
文字の伏線回収が本当に素晴らしい本作であるが、割とストーリーに疑問点が多く真面目に考察しようとしたら馬鹿を見るかな。ただアフターをちゃんと別売りしないで全ヒロインのエンドをしっかりハッピーで終わらせようとしてるのは好感が持てる