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gijinさんのSummer Pocketsの長文感想

ユーザー
gijin
ゲーム
Summer Pockets
ブランド
Key
得点
98

一言コメント

夏休みを思わせる最高の作品でした。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

夏休みをテーマにしていることは知っていましたが、ここまで夏休みを思わせてくれる作品とは思いませんでした。
そして個別ルートもグランドルートであるALKAとpocketsのどちらも最高でした。


「しろは」
この作品のメインヒロインであるしろはのルート。
泣けるシナリオではないですが、個人的には一番夏休みを感じたルートでした。
島のみんなとのやりとりもこのルートが一番多かった気がします。
そしてこのルートでわかるしろはの秘密がグランドシナリオにもかかわってきます。

「蒼」
ガードが堅そうに見えて、かなりチョロいヒロイン。
このゲームのギャグとして扱われる感じでのチョロさですが、逆にこれが個性になってました。
このルートは、本作の重要な存在である七影蝶について、一番語られるルートですが、このルートで語られることがすべてではないのがみそですね。

「鴎」
ひと夏の冒険が似合うヒロイン。
このルートでは、鴎と羽依里の関係を途中まで読み違えてしまってただけに、終盤は悪露時でした。
このルートラストは、実際のところ、どっちなんだろう、と考えてしまってます。

「紬」
むぎゅなヒロイン。
正直プレイ前はそれほど期待していたヒロインではなかったのですが、プレイ後はその評価はひっくり返りました。
個別では、マスコット的な雰囲気も出しつつ、切なくさせてくるシナリオは号泣ものです。
個別ルートでは唯一泣いたルートですね。

「グランド(ALKA、Pockets)」
ALKAはうみルートとなります。
といっても、うみを攻略するのではなく、うみが自分の願いをかなえるルートでした。
羽依里、しろは、うみ中心のルートであり、うみにとって、素晴らしい夏休みを送ることになるのですが、うみの正体、羽依里やしろはの運命を知ってしまうと、涙なしには見られません。
あとこのルートで個人的にいいと思ったのは、ほかのヒロインたちもちゃんとかかわってくることであり、またほかのルートがあったからこそのシナリオとなっていることです。
そしてALKAからPockesに続くのですが、個人的にはALKAまでだと、主人公である羽依里には運命を変えられないのか、としこりが残って気がしました。
しかしPocketsをクリアすることで、羽依里が作った思い出をうみが引き継ぎ、その思い出がしろはを救い、そしてうみの最後の想いが羽依里としろはをつなぐのは感動モノでした。
今度こそ、3人が幸せになってくれる、と信じたい気持ちでいっぱいでした。

以上がシナリオの感想ですが、本当にいい作品でしたので、今後もいろいろ展開をしていってほしいです。