堅実なシステムと、ある種王道なストーリーのRPG。心優しい主人公が、不幸な少女を助ける物語。
同人RPGとしてはちょっと変わり種ではないでしょうか。
こういう18禁RPGというのは、女性主人公でモンスターにアレコレされたり、鬼畜な主人公が女性キャラをアレコレしたりするのが、多数派だと思います(偏見かもですが)
しかし、この話はメインストーリーを追うだけならば、一度も性的なシーンを挟むことなくEDに到達することが出来ます。かくいう私がそれをやりました。ヒロインのユノの親愛度はカンストしましたが、それ以外は0というパラメータで終わりました。
また、作中の主人公の言動を追っていくと、プラトニックな関係で終わる方がある種自然であるほどです。つまり、このゲームの主人公の人格でヒロインのユノに手を出すことはほぼ無いと言っても過言ではないです。
見ず知らずの少女を助け、面倒を見ることを即決し、会ったばかりの人々を有償無償の区別なく助けようとするこの主人公は、まさに英雄の気質を持った漢。
ならば、ヒロインのユノに手を出しているのは誰か? それは主人公ではなく「プレイヤー」です。ストーリーの中では一度も主人公はユノに手を出さず、プレイヤーのコマンドでのみ、性的な行為をするためです。主人公の脳を操ってユノに手を出させているという感じですね。
なので私はHシーンの主人公と、ストーリーの主人公は別人であるという定義をしています。
一応、EDに何か変化があるかを見るために、性的パラメータをMAXにして、サブヒロインのイベントも終わらせましたが、特にユノの言動に変化はなかったので、ちょっと時間を損した気分。
ただ、不満があるとすればサブヒロインたちは全てのイベントを消化しないと、EDで別れの挨拶シーンがが無くなること。一定の好感度まで達すればEDに入れても良さそうなものですが。また、サブヒロイン達と性的な関係になるかならないかで、選択肢が欲しかった。エルフの女将はしょうがないとしても、他2人は普通に仲良くなるだけで良かったような。
いくつか細かい不満点があるものの、イケメン主人公と薄幸少女の王道ストーリーを堪能できて良かったです。