明日を信じるメアリの強さは眩しいくらい。Mの気持ちが分かります
スチームパンク3作目。舞台は産業革命後のロンドンで、激動の時代真っ只中です。
街を覆う排煙は、傘をささねば煤ですぐに汚れてしまい、廃液で汚染された河は、生き物が棲むことが出来ない程になっている。そういう時代が舞台です。
この話も1作目のセレナリア同様、意外なキャラが多かったです。
後々まで活躍しそうな雰囲気だったけど、あっさり退場してしまったチャーチル。
なにか裏がありそうな姿だったけど、特に裏がなく一途な想いを抱いてただけのブラム。
どうみても悪女、魔女のように見えるのに。メアリに優しい年上の女性として振る舞い、最後まで優しく頼れる大人の女性だったジェーン。
などなど、しかしシャルノスを求めるのは「変わらない明日を求める」気持ちであることを考えれば、彼らが悪人ではないことが納得できます。
よくヤンデレと言われるシャーリィにしても、そりゃ17~8歳の少女が、これから起こる凄惨な2度の世界大戦の情景を観てしまったら、それは心だって病みますよ。
所謂ヤンデレはこじらせた恋愛脳のキャラですが、シャーリィは昏い未来を見てしまったが故に本当に心を病んでしまった少女です。そんじょそこらのヤンデレなんかと一緒しては可哀想です。
彼女は同性愛者でもなんでもなく、ただ世界大戦の暴威に、親友が巻き込まれていくのが耐えれなかっただけの、精細な少女なんです。
それに対して我らのメアリ嬢の精神力と言ったら、オリハルコンもびっくりです。決して折れないその心を前にしたら、そりゃグレートオールドワンだって心を動かしますよ。
メアリが見た目お嬢さまで、中身が王子様ならば
シャーリィは見た目お嬢様で、中身はお姫さまでしたね。
あと、アーシェとハワードのラブラブカップルも好きでした。