語るものなき異形都市。最高峰の雰囲気を味わえます
スチームパンクシリーズ2作目。蒼天の世界の冒険譚から打って変わって陰鬱な世界観。
しかし、その独自の世界観は見事の一言。音楽も相まってあっという間に没入できる完成度です。
設定や用語などは本編中で覚えていけますし、それぞれを考えるのも楽しいです。
どれほど苦しくても「生きる」ことこそが素晴らしいと手を伸ばす巡回医師ギー
苦しみ続けるよりは、安らかなる「死」こそが救いであるとする巡回殺人者ケルカン
2人の根底に有るのは一人の少女。10年前に瀕死の少女を前にして、若き医師はなんとしても助けようとし、兄である医学生は死なせてやってくれと頼んだ。
だからこそ2人の芯は変わらずぶつかった。物語を締めくくるのはこの2人であったのもうなずけます。
この2人はブラックジャックとドクター・キリコを彷彿させられます。
異形都市に冒されながらも、たくましく生きていた人々。やはりギーの選択こそが、良かったのでしょう。
ポルシオンの未来に幸あれ。