今時、これだけのシナリオ構成を持つ作品に出会えるとは思わなかった。
このライターは、前作品もそうだけれど、箱庭という環境を上手に使うな、と。
そして、各ヒロインが攻略されるだけのヒロインというわけでなく、
作品の中で重要な見せ場を持っているところが実に良い。
にも拘わらず群像劇という形になるわけでなく、
主人公はきちんと主人公しているのもまた素晴らしい。
とはいえ。
なんでそうするかなあ、という行動がないわけではなく。
壁画については、とっとと見に行けや、と思ったし。
サブキャラの周回ルートとか。
ループという世界構造を採用した場合において、
各キャラクタを掘り下げるひとつの方法とは思うけれど、
単に学園生活を漫然と過ごしていただけだったからなあ。
街を救うためにループしてたんじゃなかったのかと。
あと、最後まで気になったのは、シスター・リリィの声。
ただのモブキャラならともかく、彼女はめっちゃしゃべる役どころ。
どうにかならんかったかなあ、と思わなくもない。