生半可で中途半端
シナリオ要素という面でクオリティが高いわけではないし、ならキャラゲー要素のクオリティという面でも微妙。
ライターが作品の尺と己の筆力を鑑みず、それに対してシナリオテーマとプロットを正確に練れてないから雑にシリアス要素を出しても登場人物が雑な舞台装置にしかならないから辞めた方が良い。急に登場人物がうすら寒いものに観えてくる。
死生観というとてつもなく重いテーマを甘く見過ぎなんだよね。これは汎用なシナリオに楽に味をつけれる便利な調味料なんかじゃなくて、尺やライターの筆力、構想すべてがそろって初めて輝く究極の調味料なんだよね。
それらを踏まえた場合、シンプルにセンターヒロインのみを安直なシナリオで描いた方が全体的に良い作品になったと思う。
それにどうやら要約すると「シナリオゲーじゃないからキャラが可愛ければテキストはどうでもいい!」などとたわけたことを抜かしている阿呆も一部散見されるけれど、いわゆるシナリオが主旨ではなく登場人物を魅力的に描写する一辺倒なキャラゲーでも同じことが言えるけれど、そのキャラゲーである”魅力的な登場人物”は間違いなく下地のテキストから生まれ出づるものだからそこを疎かにしてしまっては根本的に瓦解することを理解した方がいい。別にキャラゲーだからといってテキストの精度をないがしろにしていい理由なんて一つもない。
と、ここまではライターの批評。次は原画だけど、グラフィックの問題かはわからないが差分ごとの表情がほとんど安定していない。ものによっては別人レベルで崩れていた印象が強い。サークルのインディーだから仕方ないけれど、やはりブランドでリリースする際ちゃんとしたグラフィッカーがついていた大事さが良くわかる一作となっていると感じた。
次はシステム。これに関しては綴るのも嫌になるほどの酷いゲームエンジン。オプション項目がこの時代のADVに則していないほど不足しているしフルスクリーンにしたらプライマリモニター強制。
普段から読書する環境を整えているユーザーほどこれに不満を強く覚えており、シナリオ原画などのクリエイターのクオリティに関わらず起動するのも億劫になり結果読まないといった致命的なほどの問題となることを今一度理解した方が良い。もう令和の時代だよ。これは未だにFHDでリリースしないブランドにも言えることである。
たまに作品のクオリティをプライスと比較して批評する輩がいるけれど、それの価額なんてものは消費者側のあまりにも個人的過ぎる心情面の話であって、その作品の良し悪しを語る材料には一切なりえないからロープラだろうがフルプラだろうが作品として欠陥部分があるのであればそれを批評するのは読者の義務であるとすら言えるにも関わらず、”安かったから!”などと言い作品の出来を曖昧にして都合の良い無知蒙昧な発言を恥と知れ