ニトロプラスがエロゲーマーに送る怪作
アニメや漫画、小説といったジャンルだと物語が分岐して描かれる例ってあんまり見かけなくて、いわゆるルートが存在するのはサウンドノベルならではなのかなと思うんですが、そんな「ルート」に対してメッセージを投げかけてきたのがこの作品。
別のルートを攻略する際に前に攻略したヒロインのことを考えてしまうのはエロゲーマーにはありがちなんですが、数をこなす内に自分の中での気持ちの切替がうまくなってきて、そのうち気にならなくなる方が多いんじゃないかと思います。
そんな別ルートで攻略されたヒロインが、実は記憶を保持していて、プレイヤーに対して語りかけてくるんですが、このプレイヤーに対して語りかける演出が非常に素晴らしく、セーブしようとしたり攻略サイト見ようとしたりエロゲーマーがよくやる行動を悉く潰した上でヒロインがそれを咎めてくる恐怖たるやなかなかのものがあります。
惜しむべきは普通にヒロインを攻略する1週目があんまりにもあっさりしてる点で、もうちょっとしっかり作られてたら2週目からの破壊力がもっと大きかっただけに残念。
とはいえ、強烈なメッセージを込めた力作であることには違いないので、特にルートに関する違和感を持ったことがある方には是非プレイしてほしい一作です。