BGMのレベルが非常に高い作品
ぱじゃまソフトが2003年に発売したPIZZICATO POLKA ~彗星幻夜~に、
業界では有名人の田中ロミオ氏のシナリオを加えた完全版(コンシューマー版)。
古い作品ながら、丁寧な世界観で描かれる独自のストーリーからは、
今のギャルゲー・エロゲー界から失われつつある「挑戦」という2文字が浮かび上がる。
ストーリーは、数少ない伝奇サスペンスもの。
民俗学を学ぶ主人公が、自身の勉学と消息を絶った先輩♀を探すために異国の地ヘクセンブルグへ留学する。
そこでは若い女性ばかりがターゲットにされる謎の連続殺人事件が発生していた。
下宿先で一人の少女と出会ったことから、大きく物語が動き出す。
以下、ネタバレ雑記&思い出補正有
CG&立ち絵
パッケージ通りのCGなら言うことないのだが、昔の作品らしい作画崩壊を連発している。
緊迫する場面が多いのに、絵が可愛すぎて緊張感が薄れてしまうのも問題。
主人公
可もなく不可もない昔のギャルゲーに多い特徴のない主人公。
彼の煮え切らないアクションが、このゲームの欠点の一つかも。
ヒロイン
間違いなくステラ一強。おまけしてミリアム。
メインヒロインのシナリオ、特に追加シナリオの印象が強烈すぎて、サブヒロイン達の印象が薄い。
(確か、サブ→ステラ→妹の順にルート解放された気がする)
追加シナリオのヒロイン枠琴梨ちゃんは、ヒロインというよりヒーロー枠が相応しい気がする。
シナリオ
メインシナリオの王道に対比するように描かれた追加シナリオが秀逸。
世界観を壊すことなく、逆にメインヒロインの魅力を際立たせているのがにくい。
特に琴梨ENDで流れる schwarz Nacht は…
BGM
私がどうしても欲しくて取り寄せた数少ないギャルゲーのサウンドトラックの一つ。
hope for peaceful から始まり、短いながらもひとつも捨て曲が無い貴重な音源の集まり。
一言感想にも書いたが、めちゃめちゃレベルが高い。(気に入っている)
Crevice inside my heart は心に刺さる…(PC版だとエロシーンの曲なの? 嘘だろ?ってなる)
Broken out はカッコよすぎて濡れる…(うおおおおってなる)
Naked heart は故郷を思い出す…(ああ…ってなる)
END曲 ロマーニに捧げるレクイエム は、個人的にみとせのりこ氏の最高曲。
schwarz Nacht はクリア前に聴いちゃダメ。ゼッタイ。
総評
隠れた良作。
追加シナリオがなければ、点数は大幅減。
(※PS2orDC版のみ実装なので要注意)
今なら安価で買えるかもよ?