日々は、楽しいことばかりではないけれど…それでも、僕らは生きてゆく
回避推奨
・主人公が魅力的で、感情移入できないと物語を読むのが辛い人
・明るい女の子とイチャイチャしたい人
・ボリュームのある作品をプレイしたい人
・雰囲気に流されにくく、細かい点まで気になる人
・ゲーム性を大切にする人
・ギャグや娯楽に飢えている人
・純粋にエロを求む侍
オススメ
・やや暗い雰囲気の短編小説を読みたい人
・OP映像で、何かを惹きつけられた人
単純に私の思い入れで点数は高くつけたけど、
たぶん世間の評価的には10~60ぐらいが正しいのかなぁ…
コメディ色は一切無し。
繊細な絵が魅力。(私は好き)
文章が短い分、ユーザー側がそこから何を感じ取れるかで評価が大きく分かれる。
OP映像は、何度も見てしまう不思議な魅力がある。(英語の発音はアレだが)
エロシーンについては、文章も短くて淡泊…と思いきや、詩希の中の人の演技が下手すぎて、
喘ぎ声が、逆に素人っぽくて妙にエロく聞こえてしまう不思議な現象が起きている。
以下、感想雑記(※ネタバレ全開※ 読まないほうがいいかも)
主人公は「回避性人格障害」を患っている、定時制の高校に通う少年。
(※彼はヘタレでも孤独を愛する厨二でもなく、対人恐怖症型の精神病患者です)
それぞれ異なる問題を抱える少女たちと交流することで、自らの心と向かい合っていく。
詩希ルート
両親がすでに他界しており、今、側にいるのは猫だけだという、
奔放な性格に何処か寂しげな影が映る少女、詩希。
次第に互いの境遇に共感し、距離を近づけていく二人だったが、
詩希の唯一の家族である猫が倒れてしまう…という話。
全体としては短いながらも「命」を感じることのできるシナリオ。
生き物を飼い、最後まで看取った経験のある人なら、
猫の行動を理解して涙してしまうかもね。
詩希にとっては、今までの不幸な生い立ちもあり、生きていく為に主人公が不可欠な存在…
というのもすんなり理解できる。
砂緒ルート
ギャルゲー&エロゲーに在りがちなベッタリ幼馴染と違い、適切な距離感のある幼馴染砂緒。
彼女は、両親が妹ばかりを可愛がっていると思いこみ、ピアノで良い結果が出れば
きっと自分を見てくれるという思いから努力したが、挫折して定時制の高校に逃げてきていた。
砂緒は主人公との交流を糧に、少しずつ自信を取り戻していく。
物語中盤で妹が心臓の病気を患っていた事実を知り、更にお姉ちゃんがんばっちゃうぞ…っていう話。
詩希ルートと異なるのは、砂緒の場合、主人公はあくまできっかけにすぎず、
彼女自身の強さでトラウマを乗り越えていったという点。
題材はいいんだから、もう少し丁寧に描いてくれよーと思う点が多かった。
特に安っぽく聞こえるピアノの音は、もっとどうにかなんなかったのか…。
両親が妹の病気を、姉である砂緒に隠す理由も全く理解できない。
病状に苦しめられた未憂ルートに比べると、主人公の病気があっさり快方に向かったり、
あんまりにもガバガバさが目に付く。
未憂ルート
ある日の夜の浜辺で出会った元気な少女、未憂。
彼女も自分が病気であることを主人公に教えてくれるが、病名については教えてくれなかった。
大人しそうな外見の割には積極的で、主人公に頻繁に話しかけてくる。
次第に距離が近くなっていく二人だったが、主人公の「回避性人格障害」が発症。
限界を迎えて未憂を拒絶しようとする主人公だが、未憂の心と病名「光線過敏症」を知らされる。
そして問われる。
自分に優しくしてくれたのは、同情からなのかと。
即答出来ず、ただ抱きしめる主人公。
終盤に、再び病気の影響で未憂を遠ざけてしまう主人公。
そんな彼を慕い、命の危険も顧みず、真っ昼間に主人公の家にやってくる未憂。
その純粋な好意に、本当の意味で未憂を受け入れる主人公。
…
この先に、某作品に見られるような安易な奇跡は起きない。
未憂ルートの結末の先、その後の主人公の成長の物語が見てみたかったなーというのが本音。
主人公が精神病を患った大きなきっかけも欲しかったなと。
テーマはいいんだ、本当に。
肉付けをしっかりしてリメイクしたら、いい作品になると思うんだけどなぁ…
恵ルート(サブ)
メガネの天使。
特になし。
総評
楽しい作品ではない。
ただ、なんとなく何かが残る…そんな物語。