リメイクのお手本
ランス・クエストや戦国ランス、ヘルマン革命と比較すると、
戦闘面に癖があり、楽しく感じるようになるまで少し時間がかかった。
嫌う人は嫌うと思う。
正直、好みが分かれそう。
特に、先にランス10をクリアして興味を持った人には、戦闘システムが煩わしく感じて辛いかも。
あと、初めてシリーズを手に取った人で、ランスの馬鹿っぽさが無理!と感じる人がいてもおかしくない。
悪ガキがそのまま成長して主人公やっているようなものだから。
…まぁ、私はそこがたまらなく好きなんですけどね。
声無しの人気シリーズをボイス付きにするのは、
メーカーにとって大勢の固定ファンを失う危険性が高い。
物語の中のランス達だけではなく、ALICESOFTにとっても「冒険」だったと思う。
私感では、声優のキャスティングした人、天才じゃね? と思った。
違和感がないどころか、更に魅力的に映るキャラクター達。
女性達だけではなく、ランスやカオスなどの力の入れ具合を見ても素晴らしい。
BGMも良かった。
特にラストバトルの曲が好き。
作品によって良し悪しがあり、賛否両論あるだろうが、
毎回異なるRPGシステムを構築するALICESOFTの「挑戦」する姿勢が私は好きだ。
(本作は01リメイクを土台としているが)
特に本作の制作陣からは、単純なリメイク作りじゃなく、昔からのファンにも、新規の人にも
心から楽しんで貰えるように本気で取り組んでいる姿勢がうかがわれた。
余談だが、本作と正反対の姿勢で制作されたのが戯画の「BALDR BULLET ”REVELLION”」だと思う。
(好きな人いたらゴメンね…)
魅力的なOP、綺麗になったCG、その時旬の声優陣の起用と、
他シリーズを手にしたことがある人なら、一見誰もが期待してしまう作風。
だが、蓋を開いて見れば、6年前に出た「BALDR BULLET」と全く変化のないシナリオ。
「BALDR FORCE」や「DUEL SAVIOR」から期待を抱き、興味を持って手に取った多くのユーザーを、
「リメイク」の一言を盾に取り、完全に切り捨てた冷たさは今でも覚えている。
まとめ
ゲームとはエンターテイメントだ。
一つの作品を面白いと思うかは個々の感性によるが、
少なくとも娯楽を商売として売りに出すなら、買った側が少しでも満足してもらえるように
工夫を凝らすのがメーカー側の誠意ではないだろうか。
それを30年以上も持ち続けている ALICESOFT は存続し、
それを失った élf を始めとする多くの同業他社が倒産している。
ランスは10で完結してしまったが、私の大好きなランスシリーズが
少しでも長く続くように、本作のようなリメイクが増えるのを楽しみにしている。