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geek_agentさんのキミのとなりで恋してる!の長文感想

ユーザー
geek_agent
ゲーム
キミのとなりで恋してる!
ブランド
ALcotハニカム
得点
74
参照数
642

一言コメント

闇鍋みたいな感じ…?

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


となりにいなくても恋してるやんっ! ってツッコミは置いておいて…


強引過ぎる祖母の主人公の嫁探しから始まる「ギャグ」系の作品なのか、
主人公を軸とした幼馴染2人+年上美人の三(四?)角関係を描いた「恋愛物」なのか、
主人公が再び陸上に対して向かい合う「青春物」なのか。
いいとこどりをしようとした結果、全てがちぐはぐに繋がってよくわからない作風に仕上がっている。

公式ジャンルは「女の子とStep by step ADV」

Step by step = 着実に・段階的に

うーん。

やっぱりわからん。

わけのわからない嫁探しの設定を設けた時点で、段階も何もないんだよなぁ…。

適当すぎる両親の馴れ初めから「家族物」でも絶対無いし…。




陸上競技の部分に関しては、ライターが少し調べて書いた様子が伺われて好感が持てる。
トンボはともかく、「ダウン」なんて言葉は経験者か調べた人しかわからないもんね。

ただし、言わせてくれ。

「才能」や「努力」の一言で全国の頂点に近づけるほど、陸上競技は甘くない。
(他のスポーツもそうだと思うけど)

誰よりも速く走るには、絶対的な指導力を持った大人=「指導者」が必要不可欠なんだ。

理にかなわないタイムトライアル・ペース走・インターバルを繰り返すだけでは、
体を酷使するだけで絶対に記録は伸びない(伸びても壊れる)。
まして、学生が考えたメニューで頂点を取れるほど、決して甘い世界ではない。
絶対に、努力だけでは埋められない明確な差が存在する。

嘗て、全国標準記録に数秒届かなかった陸上少年(今はおっさんか…)の戯言だと思ってください。




すみません。くそ脱線しました。(脱糞じゃないよ?)




以下、感想雑記(ネタバレ含む)
















■登場人物
【秋人】
ふわふわ系主人公。
マラソンでは天才(?)らしい。
あんなにおっぱいのでかい妹とお風呂に入って、全くちんちんが勃たないことから、
「早漏」というより「ふにゃちん」なのでは?
それなのに、エロシーンに入ると抜きゲーの主人公と化す。
あと、風呂場での体つきが全くアスリート(陸上選手)に見えませーん。



【なぎさ】ヒロインA
ありがちな設定の女の子。
付き合う前のほうが可愛いかったかな。
ぶっちゃけると、おっぱい大きい女で長距離走早い奴はいねぇ(偏見?経験?)…。
声も雰囲気にあってるし、無難なルート。


【莉奈】ヒロインB
中の人の演技力がおかしい。(良い意味で)
作品毎にガラッと声質や雰囲気を変えられる凄い声優さんだと思う。
シナリオの出来云々よりも、中の人の力(会話や間の取り方)で、
作品の完成度を一段階上の水準に持っていくのには正直驚いた。
シナリオの中身的には並だが、秋野花ファンなら百見の価値はある。


【涼香】ヒロインC
エロスッ
すらっとしたHなお姉さん。
砂地かつ余力アリの状態で、作中の1500m-4’30”なら、高校女子陸上では現実的な早さだね。よかった。
4’05”なんてほざいていたら、ぶっ殺して…いや、なんでもないです。
シナリオはやっぱり並。


【恵】
主人公の乳首に執着するボインちゃん。
全体的にギャグ色が強すぎて、唐突なシリアス場面で読み手は置いていかれるんだよなぁ…。
あと、あじ子や…。
ロリは止めて、お姉さん役にしよう…?



【勝彦】
全然、ほんと微塵も関係ないんだけど、この文章書いてるときに、
倉田てつをの「信彦ぉぉぉ―――――っ!!」って声が聴こえてきた。(何言ってんだ)
ゆかりちゃん関連の話は、つまらないだけじゃなく不快だと思うの。



【千代】
こいつ、腹立つぅうううう!(輝夜月風)
中の人が上手い分余計に、こいつ、腹立つぅうううう!
秋人の両親ネタは、作者の「面白いだろ?」っていうオナニー見せられているみたいで好きになれなかったかな。





■CG&立ち絵関連
可愛い絵柄だと思うよ。
ただ、CG内のバラツキが多くて、等身がぶれているものもちらほら。
立ち絵の恵は、他のヒロインと比較して明らかに胸部のバランスが悪すぎるかな…。


■シナリオ関連
「ギャグ」と「シリアス」の転換がちぐはぐなので、作品にのめり込むという作風ではない。
心情の機微や場面の切り替えは、SMEEに比べて明らかに下手糞。
可愛い女の子を追いかけるうちに、無難なシナリオ(薄味)がついてきました。って印象が強い。


■BGM関連
上記、場面展開の下手さが完全に足を引っ張って、「お兄ちゃんのテーマ2014」や「別れの予感」などの
一部のBGMが作品から非常に浮いてしまっている。
出来が悪いわけではないのだが…。




総評
佳作。
光るところもあるけど、所々にライターの「どう?面白いでしょ?」っていう自己満足が散見される。
エクストラのプロフィールなんか見てても、そんな印象。
人を楽しませる文章っていうのは、自己満足半分、消費者への思いやり半分じゃないと成り立たないと思うの。
本作はその割合が7:3ぐらい。

んっ? これってブーメランかな(笑)
私の感想は消費者関係ないからいいでしょ、別に…w