財閥ルートは盛り上げるところでちゃんと盛り上がっていて面白かった。アイドルルートはなぜ作った。
鶴美お嬢様がすごくいい味を出しているゲームだった。
まさに外道であり、叩きのめされた時はざまああ!と思えるが、事情を知ると幸せになって欲しいと感じた悪役。
彼女のせいでとんでもなく不幸になった人間も多いと想像できるも、理屈じゃなく許せてしまいそうなヒロイン。
それが友禅寺鶴美だったと思う。
そういう点で個人的には七波お嬢様ルートよりも花ルートがtrueルートに見えた。
もちろん七波お嬢様ルートも出来が良かった。
山場までしっかり盛り上げて行き、お嬢様が最後に締めるという構成は読んでいてもスッキリした。
桐谷華の、ヌボーっとしたキャラなのだがギャグの際には妙にキレのある演技もとても良かった。
財閥ルートの残り一つである詩綾ルートはとんでもないギャグルートで予想を完全裏切られた。
姉がギャグ担当なので当然ルートのシリアスは詩音坊っちゃんに託されるのだが、詩音の成長物語はベタだが好きだ。
第一部よりヘタレで憎まれ役の代表のようなキャラが紳士として成長したのは正直ワクワクした。
七波ルート後の鶴美との仲直り、花ルート後のアパート4人家族の日常、詩綾ルート後の詩音との師弟関係
などのほのぼのとした後日談を非常に見たくなる作品だった。
ルートはアイドルルートもあるのだが、財閥ルートと比べると残念な印象がある。
それは音羽というキャラが出てくるたびにイラっとするからだ。妹の鮎佳は可愛いんだよ。
勝手にパートナーに選ばれた透夏さんは可愛いのに残念である。本作一番の被害者だ。
結構出てくる経済の話と結構出てくる金髪ツインテのキャラでギブアップしたくなることもあるが
経済は「あー今ピンチなんだな」などの空気が分かればいい程度だし、音羽はほかのキャラのためになんとか我慢すれば
お話としては面白く、そこそこ感動も出来たので何とかやりきって欲しいゲームだ。