期待に違わぬ面白さ、プレイして損はないと断言できます。ネタバレが致命的な作品ですので、極力ネタバレ無しでレビューします
個人的な事情からなかなかレビューが書けませんでしたが、それもひと段落着きましたので、やっとこのゲームのレビューを書くことができます。
PCへの移植が決定してからずっと期待していた作品でしたが、期待通りの素晴らしさでした。ここまで引き込まれるシナリオはそうそうお目にかかることはなく、ライター陣には心よりの賞賛を送りたいです。
他の重要要素である、CG・BGM・CVも高レベルであり、各所で絶賛されていたことも頷けます。
各キャラクターも非常に魅力的に描かれており、特に主人公のオカリンが大切な人を助けるために必死に頑張る姿には強く感情移入しました。
エンディングに関しては、一応個別エンドも存在しているのですが、内容は、バッドエンドとまではいかないまでも、ビターエンドともいうべきものであり、完全なハッピーエンドとなるのは真EDだけです。これは、真紅莉栖EDとでもいうべきものであり、紅莉栖以外のヒロインはサブヒロインと思っておいた方がいいです。
CVに関してですが、花澤さんが昔に比べて格段に上手くなっててびびったり、今井さんの紅莉栖がはまり役すぎて驚いたりしましたが、何よりオカリン役の宮野さんの素晴らしさが光っていました。
最初は中二病的言動がひど過ぎて、この主人公で続けるのは苦痛だと思っていました。そのせいか、第5章まで進めるのに2週間ほどかかってしまいましたが、6章以降の怒涛の展開、オカリンの言動の理由、どんどん強くなっていくオカリンにどんどん惹かれていき、そこから4日でコンプリートしてしまいました。
ただ、不満点がまったくないわけではありません。
まず、何よりもシステム面。初期段階で既読スキップができないのは、ノベルゲームとして致命的でしょう。パッチが出たのは発売から1週間以上でしたし、何より1ヶ月の発売延期をしてこの有様はひどいです。開発陣はちゃんとチェックしたのでしょうか?
それから、シナリオは確かに素晴らしかったのですが、終盤の展開が良くも悪くも王道だったせいか、衝撃度という意味では少しパンチが弱かったかと思います。
あと、2ちゃん用語やオタク的表現が頻繁に飛び交いますので、そちらの耐性がまったくない人には少しきついかもしれません。
以上の面を考慮して、95点の壁を超えるまでには至りませんでしたが、それでも、素晴らしいゲームであることには違いありません。
シナリオの面白いゲームをやりたい、SFもそこそこ好きだという人には、是非プレイしてほしい作品です。今ならパッチもでているので、そこそこ快適にプレイできると思いますし。