現時点での厨二バトル物のトップに位置します
おそらく、好みは分かれるでしょう。ですが、自分にとっては最高のバトル系ノベルゲームでした。それまで私的トップのあやかしびとを抜き去り、自分の中でのバトル系の暫定トップとなりました。
シナリオ・CG・BGM・CV・演出の全てが高レベルでまとまっています。
また、キャラクターの数が多いにも関わらず、どのルートでも捨てキャラになるのが形成(笑)のみであり(そのシュピーネさんもドラマCDではまさかの活躍でしたが)、どのキャラにもいずれかのルートで見せ場が用意されているのが良かったです。
その中でも全てのルートで見せ場があった神父は愛されてるなあと感じましたが。
では、ルート別の感想に移ります。
香純ルート:ストーリーは面白いのですが、三騎士と双首領が出てこないので、あくまでも導入編といった風ですね。最終章での戦いは素晴らしかったのですが、学校での戦いがグダグダになってしまったのが少々残念(どうも、このシーンは07版から変わっていないようです)。
で、最後の双首領の高笑いのせいで見事にバッドエンド化します。気分悪いと思った人は、公式のベアトリスラジオを聴きに行きましょうw
しかし、自分のルートがこんなで他のルートでもろくな目に遭わない香純は、つくづく不遇なヒロインですねえ・・・
螢ルート:首領閣下と三騎士が降臨するルートであり、ニートことメルクリウスが初めて働く気を見せるルートであり、個人的に一番好きなルートです。螢が可愛くて仕方がないのと、ベアトリスとザミエルがとてつもなくカッコいいので。
9章のヴィルヘルム戦から怒涛の展開が続き、大量に分泌されるアドレナリンの影響か、一気にプレイしてしまいました。ザミエル卿は登場シーンから別格の存在感でしたが、このルートの印象で、一番のお気に入りのキャラになりました。
あと、メルが司狼に自分の正体を明かすシーンでΩEwigkeitが初めて流れるシーンは鳥肌物でした。ほんと、このルートでのニートのウザさは神がかり的でしたね(まあ、本当に神なわけですが)。
最終的な決着はつきませんが、不思議と後味は悪くなく、希望が失われないラストはお気に入りです。だから、正田氏は螢ルートアフターを早く書くべきだと(ry
マリィルート:最も王道展開なルートであり、ニートは死なないけど、首領殿との決着のつくルートでもあります。こちらも第9章から怒涛の展開が続き、止め時を逸してしまい、結局一気にプレーすることになりました。
11章での四つ巴戦は、神父の中の人の演技力もあって、素晴らしい出来になっていました。
このルートでも最終章でのザミエル卿の存在感は別格ですが、マキナと蓮の戦い、シュライバーの最期での独り芝居など、最終決戦に向けての盛り上がりも素晴らしい。最終決戦に向かう途上でEinsatzが流れるシーンでは変な汗がドバドバ溢れました。
そして、フリンはだめと振られたニートざまぁw
玲愛ルート:グランドルートであり、実はマリィルート後の世界であるという裏設定があります。イザークが重要人物として登場したり、早々に香純がベイに喰われたり、螢が早期退場するなど、他のルートとは大分違う展開を迎えることになります。
個々のバトルも熱かったのですが、4ルートの中で最も先の読めない展開であり、続きが気になってやはり止めどころを逃してしまいました。
そして、最終決戦で主人公が蚊帳の外になってしまう展開には賛否両論ありそうですが、あんなチート能力持ちを二人も相手にできるはずがないので、これでよかったのだと個人的には思います。Diesの良いところとして、主人公側の強さが急にインフレをおこしたり、敵の強さが急にデフレをおこしたりしない所がありますからね。
ニートが満足して死にやがったのは正直ムカつきましたが、それでもエピローグは綺麗にまとめられていてよかったです。よくある「無かったことにする」エンディングとは違い、そもそも座の交代=世界が作り替えられるという前提があるわけですから。
お気に入りのキャラ:男性陣はどいつも甲乙つけがたく選べないですが、女性陣ではザミエル卿が一番です。軍人然とした態度ながら、内には女性的なものを含んでいたり、部下であるベアトリスには今でも親愛の情を抱いているところがたまらなく魅力的でした。ヒロインの中では螢が気に入りました。
好みのルート:上で述べた通り、一番気に入ったルートは螢ルートでしたが、マリィルートと玲愛ルートも素晴らしかったです。香純ルートも悪くはなかったですが、やはり幹部クラスが登場しないのは痛かったですね。
好みの順でいくと、螢≧マリィ≧玲愛>>香純といったところでしょうか。
好きなBGM:バトル用BGMはどれも素晴らしい出来でしたが、新規追加分のクォリティの高さは異常なほどでした。というか、もうエロゲのBGMのレベルを軽く超えてます。サントラは、注文開始と同時に予約してしまったほどです。
一番好きなのはΩEwigkeit、次点でEinherjar AlbedoとThrud Walkureですかね。
まとめ:とにかく設定の練り込みが半端でないので、1周しただけでは分からない部分もありましたが、2周目をプレイすることで、さらに理解が深まるゲームでしたので、時間のある人にはぜひオールクリア後もプレイしてほしいです。
07版の怒りの日騒動のせいで色眼鏡で見られることが多い作品ですが、単体で見れば非常に面白いゲームですので、是非厨二バトル物が好きな人にはプレイしてもらいたいですね。
この作品のシナリオを担当した正田崇氏は自分の中でのお気に入りのライターの一人になりましたので、1日も早く彼の次回作の情報が出ることを願っています。
(追記)ベストバウトについて書いていなかったので、書き足させて下さい。
最終章のバトルを入れるのは反則な気がするので、最終章以外の戦闘から、ルート毎に決めたいと思います。
香純ルートは、最終章以外どれも微妙だったので外します。
螢ルート:10章のシュライバー戦。蓮と螢のダブル創造には痺れましたし、真の創造を発現したシュライバーは、とても恐ろしかったです。神父がとどめを刺したのにはずっこけましたが、まあ、あのトリオでは勝ち目がないので仕方ないかな、と。
マリィルート:11章の四つ巴戦。神父が詰んだかと思ったら、色々とあがき続ける所が印象深い。まあ、最終的に負けるわけですが。あと、マキナが以外にも寡黙筋肉野郎ではないことが分かって、そこも面白かったです。
玲愛ルート:ベイ対シュライバー。戦闘描写も面白いんですが、黎明からの二人の因縁に決着がつくため、ドラマCDを聴いていると燃え度がえらいことになります。というか、ここはドラマCD聴いていないと面白さが半減しますね。