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futami-fさんの神曲奏界ポリフォニカ アフタースクールの長文感想

ユーザー
futami-f
ゲーム
神曲奏界ポリフォニカ アフタースクール
ブランド
ocelot
得点
77
参照数
803

一言コメント

ポリフォニカクリムゾンシリーズの世界観が大好きであればやっておこう。話自体は非常に単調で盛り上がるとこもとくにはなく学生編と社会人編の間を補完する役目であったので、多大な期待を持たずにポリフォニカワールドをより理解するための作品と捉えておくのが吉かと。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

先に言っておきますが、原作やアニメ、キネティック1~4話を理解しかつポリフォニカが好きじゃなかったら「なんだこれ?」といいたくなるなるような作品であることは否定しません。

1・2話と3・4話とAFがセットになっておりますが(パーフェクトエディション)、購入した人の目当てはAFかと。
学生編と社会人編の間の空白にスポットがあたっており世界を壊そうとした奏世神器があの事件のあとどうなったか、そして社会人編で奏世神器が触れられていないことにより一体どこに消えてしまったのか?という疑問を解決する内容であった。

結論から言うと、文句はあるが満足である。

だが、こんなことのためにわざわざ発売する必要は無かったようにも思う。
ほんと・・・好きでなければ厳しいものがあります。一つの商法なのでしょうけど・・・
私個人としてはポリ赤シリーズには非常にはまっているので曲芸商法まがいの販売でもきっと買い集めてしまうでしょうけど・・・


前々から少々不満に思っておりこのAFで顕著になっていたことであるが、精霊という未知なる存在と共存している設定なのはわかるが、不自然に都合の良い出来ごとがおおいのはちょっと残念であった、物理現象をねじまげる行為でも精霊だから可能というのはまだ納得できるが、イアリが戦闘をしたがれきの広場と学院がどれくらい離れているのか細かな描写はないがテロリストであり瀕死の2人が学院にたどりつけていることや精霊雷によって噴出した溶岩地帯に人間が何の影響もなくちかくにいることやジムティルを使役して土中を移動したこともそうだし、そもそもかなり巨大に描かれていたはずの奏世神器も壁から出てくると非常に小さくなっていたり、奏世神器を封印するさいの精霊文字がかかれた板を落としたこと、文字さえかいてありさえすれば代用の効くものであったことなどなどと・・・榊氏らしからぬ考察不足や説明不足が非常に目に付いた。
そういうものだと思って思考停止するのも手ですが原作を読んでいるものとしてはこの描写、説明不足は少々がっかり。もっとどういう経緯でそうなったとの説明は必要である。

ボイスが入ったことによって人物の感情の機微がわかりやすくなっても設定をないがしろにしてほしくはなかった、原作でのくどいくらいの人物描写、環境描写、などあれはとても重要な表現だとおもう。キネテッィクノベルとしてのジャンルの独自性は追求してほしいところですね。

確かに知りたい内容ではあった、だけど展開だけおおげさになって結果的に戦闘といえる戦闘をしなかった消化不良感と力をもってしまったフォロンの力をもったことにより生じる責務に気がついたがまったく結論をださずに物語が終わってしまったことなどなど・・・これをAF単品で発売するのはいささか早計だったのではないだろうか?

どうせやるなら卒業までいってほしかったが、それはそれでまだまだ物語があるのだろうか?あるならあるで納得の出来る箇所も多々あるのですけどね。まぁ、これで終わってしまわずまだ続けて欲しいところではあります。



おもいきり余談です。
アニメも一応一通り見ては居ますがやはりキネティック版の声優陣が非常にしっくりきますね。知名度をあげるために有名声優陣をそろえる必要があったのでしょうけど、個人的にはキネテッィク版の声優陣でアニメ化してほしかった・・・