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fur_upさんの大迷宮&大迷惑 -GREAT EDGES IN THE ABYSS-の長文感想

ユーザー
fur_up
ゲーム
大迷宮&大迷惑 -GREAT EDGES IN THE ABYSS-
ブランド
Liar-soft(ビジネスパートナー)
得点
81
参照数
2915

一言コメント

すがすがしいほど大馬鹿たちの大冒険は見てるこっちを笑顔にしてくれる

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いろいろと独特な作品を世に放つLiar-Softさんの最新作「大迷宮&大迷惑 -GREAT EDGES IN THE ABYSS-」
そこ、「だいめいきゅう&だいめいわく」じゃなくて「ダンジョン&だいめいわく」なので間違えないように(私も結構な間勘違いしてました)



タイトルやあらすじを見るとダンジョン探索系のRPGだと思ってしまいそうになるが本作はれっきとしたノベル形式のADVゲーム
姉妹ブランドのraiL-softでライターを務めていた希先生が本作のライターということでいったいどんな作品が飛び出してくるのだろうとワクワクして発売日を待っていたが
期待を上回るワクワクと満足感を与えてくれた。



希先生の引き込まれるような独特なテキストは本作でも健在(ついでに酒も健在)、あくまで個人的な感想ではあるが過去作品よりも幾分か読みやすくなっているようにも感じた

ちゃんとしたあらすじは公式HP参照、簡単に書くならば
主人公たち冒険者一行が大迷宮たる"ジ・アビス"に潜り込み様々なはちゃめちゃな冒険を繰り広げる
そんなお話


ヒロインはハクメイ丸、ニコライト、黒塚の三人でエンディングは5つ



ハクメイ丸→ニコライト→黒塚→グランド√の順で攻略

以下個別√のあらすじとか感想とか


そもそもの導入として将覧達一行、というより冒険者たちは何か目的があってジ・アビスに行くんじゃない、そこにダンジョンがあるから彼らは冒険しているのだ。なので各個別の対決は重要ではあるが最ものものではなく彼ら一歩一歩の歩みが冒険であり最も大切なことだと思う。

ハクメイ丸
忍べない忍者、ドM、賑やかし担当?ドM、とにかくよく表情が変わる見てるこっちが笑顔になれる(色々と)、尿線ガバガバ
彼女自身についての感想はこんな感じ、とにかくよくしゃべるしころころ表情が変わって見てて面白い。
そんな彼女の√はキャラクターとは対照的に重めなもので故郷のの村を焼き滅ぼした彼女の姉との因縁の話。
けれど彼女のキャラクター性は損なわれることはなかったし姉との戦いは熱い気持ちにさせてくれた。本作の中では王道を行く冒険譚だったと思う。

ニコライト
おっぱいでけぇ!なんだその恰好痴女か!
割と衝撃的なキャラクタービジュアルで乳放り出したような姿のお姐さんですが意外とH方面では初心で将覧に翻弄されるさまや普段はしっかり者の姐さんがヘタれて落ち込む姿もかわいくてとてもGood
√では彼女も姉妹との因縁、某通販サイトの紹介文では"クレイジーサイコ近親レズストーカー"とか書かれてるアーテ・クロイツナッハさんが大きく関わってくる
陰湿で姉のことをよく知っている彼女に散々苦しめられ悲しい展開もありましたがアーテとの最終決戦でなんかもうどうでもよくなってくる。ニコライトが"ど忘れ"していた真実にはハクメイ丸とシンクロして「ひ、ひどい」と言ってしまうほど
それまでの話を吹き飛ばすような壮絶な姉妹のキャットファイト(素手)とにかく絵面がひどい姉妹のキャットファイト(魔法は使わない)、滅茶苦茶で色々ぶっ飛んでてで大笑いしてしまった。

黒塚(ショタコン、逆光源氏、将覧の初めての人)
黒髪とかあまり豊かではない胸とか思わせぶりだけど主人公にべったりなキャラクター性だとか一番好みだったりする彼女。将覧の"パートナー"という意味ではやはり彼女しかいないんじゃないか
将覧にべったりだが甘やかしてるというわけでもなく、むしろ強くなれと将覧を死地に飛び込ませてパーティを修羅場に追いやるとんでもない問題児。そのせいで一時パーティを解散することになったりする。
が、それにもちゃんとした理由はあって……とあんまり書くと彼女の正体に触れてしまいそうなのでここまでにしておく。(余談ではあるが途中参加ということで共通の最後の方で出てくる彼女だがHシーンに突入するのはヒロイン中最速!!!)
彼女の√は将覧とエイゲン・クザクの因縁の話でもあるが将覧と黒塚の業の話だとも感じた。
というか将覧のお人よしさというか馬鹿さとういかとんでもなさが光るルートでもあった黒塚好き。

グランド√
冒険者たちの大馬鹿の一歩一歩、それが世界を拓き世界を創る
本作の集大成、冒険者たちのありかたを語っていく様にこれまでの冒険譚を思い出させてくれた。

これまでの様々な場面のCGを背景にして

>将覧「面白かったなあ」

というセリフはまさしくプレイしている自分の気持ちでもあった。


その他登場人物について雑に
斯波 将覧:我らがバカ殿主人公。めちゃくちゃお人好しでバカな人。でも彼のの出す答えはどれもスパッと気持ちのいいものだと思う。
ドゥルガーギット:暴力!暴力!暴力!な人、とんでもなくおっかなくて怖いけどちょっと可愛いとこも見られる。でもやっぱり怖い。スフィンクスぶった切ったところはちょっとスーッとした。主人公とのHシーンあり。
アーテ・クロイツナッハ:クレイジーサイコ近親レズストーカー、陰湿、とにかく陰湿。三日ぐらい放置してた靴下並みにじめじめしてる。でもニコ√終盤でキャットファイトする彼女はかわいいとおもいました。主人公とのHシーンあり。
エイゲン・クザク:戦闘狂、とりあえず斬っとけみたいな人。意外と空気読む人なので結構主人公を見逃してくれたりする。でも正々堂々とってわけでもない?少しツンデレ入ってる?あとセルゲイって誰?主人公とのHシーンなし。
給仕さん:いつものって言ったら変だけどいつもの。下級水夫さんとかお手伝いさんとかと入れ替わる奴こっちでもやってほしい。主人公とのHシーンあり。
バレンド:酒場の主人。 き の こ 主人公とのHシーンなし。


楽曲について
OP、ED共に作曲さっぽろももこさん、歌唱Ritaさんが担当
オープニングムービーが公開されたとき「キンギンザイホウキンギンザイホウ」という歌声が耳に残った人も多いのではないだろうか?歌詞もダンジョンアドベンチャーを彷彿とさせる様々なアイテムが登場していて聴いていて楽しいと思う。
OPに惹かれる人は多いがエンディングテーマも負けず劣らずだと思う。プレイした人はスキップせず聴いてほしいし宝物庫から歌詞も見れるので見てほしい。冒険者の生き方死に方のようなものがリズミカルに表現されていてこれまた耳に残る。


その他
Hシーンの回想枠は前戯と本番で別れてるので注意(実質ニコ、ハクメイ2回ずつ、黒塚3回、その他一回ずつ)
お酒飲みたくなります。希先生のゲームにはよくお酒が登場しますがこの作品も例にもれず。酒場で酒飲んだりピザ食ったり酒飲んだり、荒くれ者たちの暴飲暴食を見てるとこっちも酒買ってくるか今日は宴だって気分にさせられます。
ただ酒飲みすぎたら吐きますしぐでんぐでんにもなります、プレイヤーと同じく登場人物の彼らもそうです。容赦なく吐きます。いつも頼れるおねえさんさんぶったニコライトも吐きますゲロゲロします割とリアルな音で。
将覧のエッシャー効果って何気にやばいですよね、作中何度も出てきますが「いやそれ物理的に無理でしょ」っって思ったりするんだけど為せば成るなんですね、大馬鹿すごいなあ(棒)
個人的にもっと色々ジ・アビス解説書とかほしいですね、紙じゃなくて布製のダンジョンマップみたいなグッズも欲しいところ。あと早急に「冒険者たち」と「See ya!」をCDで出してほしい。













本作の終わりはダンジョンを踏破したところではなく新たな冒険に挑む主人公たちで〆られる
おわりは新たなはじまりであり彼らの冒険はこれからも続く。

本当にワクワクさせてくれるゲームでした。




>何が始まるというのか?
>決まってる―――冒険だ! (作中より引用)