期待して待っていてよかったと、本当に思わせてくれた作品でした
前作「はるまで、くるる。」の面白さから、今月もっとも期待していた&もしかして地雷になっちゃってたらどうしようと不安にも思っていた作品でした。
結果はいい方向に転んでくれました。本当にプレイしてよかった。
「はるまで、くるる。」が地球のために続けなければならない停滞のお話なら、
「なつくもゆるる」は宇宙のために続けなければならない成長のお話です。
春の世界の管理人である冬音や一季が絶望に染まりながら仲間を見守っていたなら、
夏の宇宙の案内人である紫穂や進は希望にたどり着くために仲間と繋がっていきます。
今作には前作ほどの衝撃的な、一気にネタばらしをするシーンはありません。
その代わりに、主人公の進が失敗し、成長するごとに世界のあり方が変わっていきます。
そして徐々に明かされていく登場人物の謎は、読み進めていく手を止めさせてくれません。
繰り返されるトライ&エラーの中で成長していく登場人物の姿はとても愛おしく、
プレイしていてなぜか誇らしい気持ちにもなっていきました。
終盤までプレイして、紫穂の存在の意味を知った後に水門の上で紫穂Bと語り合うシーンでは、
セリフの一つ一つに「良かったな」と泣きながら語りかけている自分がいました。
また、相変わらず随所に散りばめられた伏線は、新鮮な驚きと感動をあたえてくれます。
全てが明かされた後に、序盤の紫穂の喜びや感動の意味を考えると、また泣けてきてしまいます。
生物学や宇宙の知識を詰め込んだSFという評価が多そうですが、
僕にとっては登場人物の成長を見守る感動物語でした。
本当にみんな、良かったな・・・。
登場キャラはみんな好きなのですが、コミカルなシーンではりね、シリアスなシーンでは紫穂が一番好きかなと思います。