本当に奇跡だったのだろうか?
keyブランドだから、ラストのセリフにあるから等々の理由で、
「また奇跡で・・・」とか「ご都合主義の奇跡で・・・」とか言われてしまう。
いってみれば宿命かもしれないが、この物語は本当に奇跡が解決したのだろうか?
最後まで理樹の、そして鈴の成長を見守ってきたプレイヤーにとって、
理樹がとった最後の「みんなを助ける」この選択肢は必然ではないのか?
そんな気がしてならない。
少なくとも私にとって「この物語はこう終って欲しい」そう願う理想の形で
幕を閉じた。まあ、そうでなければ物語を書き換えるだけかもしれない、
小毬ちゃんのように。ラスト、修学旅行をいやな思い出にしない恭介の
思いやりが光るように思う。
さて、ゲームとしての評価は得点を見ていただければわかるように
素晴らしいの一語につきる。
伏線のはりかた、その明かし方そしてストーリー盛り上げる音楽、
どれをとっても素晴らしい。
「またOPの歌詞でやってくれたな」とフルコンプ後だからこそ
にやりとできる。
ただ、誤字と読み間違いが少々見られてしまったのが残念である。
それほど目立ってはないが、気になり物語への集中が妨げられて
しまった。膨大なセリフの中のほんのほんの一部だけなのだが。
現実的にはスケジュールや予算のなどから不可能とは知りつつ、
完全を求めるのは、この素晴らしい物語が完璧であって欲しい
と願うからかもしれない。よって96点とさせていただいた。
本当に奇跡があったとするなら、いまこの青春(とき)に
この物語に巡り合えたことかもしれない。