細かい事はどうでもいい! 何かサクッと出来るタイムスリップ物やってみたい! って人向けの作品
端的に言うと、楽しめたか楽しめないかで言うと楽しめました。
ただ、タイムスリップという設定と1600年代のイギリスという舞台をあまり生かせて無い様に感じた。
正直矛盾を見つけようと思えばたぶん簡単に見つけることが出来るくらいには構成やシナリオに甘さが見えました。
絵は綺麗だし、キャラも良かっただけに色々と惜しい作品という印象。
まずタイムスリップという素材です。
基本タイムスリップの面白さというのは主人公が未来を知っているという絶対的な強みがあるからだと思います。
簡単に言えばゲームの攻略法や結末を最初からわかってしまっているという状況ですね。
そしてそんな絶対的な情報をどういう風にシナリオに絡ませ、プレイヤーの心を引き付けるかがタイムリップ物の鍵ではないかと。
でも、今作はそれがあまり上手くハマっている印象が得られなかった。
基本主人公が、馬鹿・・・というか間抜け? で同じくタイムスリップしてきた四五の引き立て役になっていたのが個人的にはあまり気に入らなかった。
あと、個人的になんですが、せめて選択肢で元の世界に戻るか過去に留まるかぐらいの選択はさせて欲しかった。
EDだと
・四五・・・色々とあり、一緒に主人公が生きていた2017年より少し先の未来にタイムスリップしてしまい、二人で新たに研究生活を始める。 (このルートは結構色んな事を放り投げてのED)
・ラビ・・・主人公の変わりに自らが過去へと飛び歴史を修正する。(当然その結果主人公とは今後一緒になる事はないのでBAD ENDの様な印象)
・春・・・主人公が彼女のために未来に帰るの諦め、共に生きる事を選択する(まぁ、可もなく不可もなくのお話ですがハッピーENDなので個人的にはGJ)
・エミリー・・・春と同じく彼女のために過去に留まり、一緒にジャガイモ農家へ(最後の一枚絵が作中で一番好きです)
・アリス・・・主人公は過去を修正し、未来へ戻り アリスもまた過去へ留まり史実のニュートンへとなる(ぶっちゃけ個人的にはBAD END。 なぜ春やエミリーのために過去に留まったのにアリスの時は留まらなかったのか謎・・・)
まぁ、上記に書いた通りのEDなわけですが・・・ぶっちゃけて言うと語るほど個別は長くないです。
基本として枝分かれ式の分岐なので1章四五 2章ラビ 3章春 4章エミリー 5章アリス といった感じで進む先の選択肢でヒロインを受け入れるかどうかを選んでいく感じのタイプです。
シナリオに関してはそこそこ硬派な内容だったかと思います。
結構小難しいお話が多くはありましたが、理解しようと思えば普通に理解できるレベル。
ただ、物語の起伏はあれど盛り上がりがイマイチだったのは確かかと。
色々とやりたいがためにどれもが中途半端になってしまった印象。
あと、やっぱり主人公が活躍する場面があまりなく、基本傍観者みたいな感じになってしまったのが盛り上がりに欠けた一番の要因かな・・・。
それにもっと個別も含めボリュームが欲しかった。
最後に、本当に色々と惜しい作品・・・だと思います。 設定は良いし、掛け合いも飽きない、キャラも立ってる・・・なのにシナリオのボリューム、盛り上がりの欠ける展開、主人公の活躍がない等々・・・。
色々と雑な部分が目立ってしまったの残念です。
出来ればもう一度練り直したシナリオをやってみたい・・・。