PCゲーム随一でキャラクターに魅力がある作品
まず、このゲームを話す上で比較に挙げられやすい『蒼の彼方のフォーリズム』とは似て非なるコンセプトを持っていた作品だったと思っています。
演出のリッチさとパワーではあおかなに軍配が上がります。対してこちらは各キャラクター全てに持たされた役割と活かし方、競技モノに対するメッセージ性に特筆すべきところがありました。
女性キャラクターのみならず、男性キャラクター全てに至るまでです。
特に後述する 境遼二その人は主人公を除いた男性キャラクターではfateのアーチャーに近い抜けたカリスマ性を持っていると感じました。
このキャラクターを生み出してくれただけで制作さんには感謝です。
▼Team Olivia(赤坂 水樹/栗原 音々/天童 悠未) 『葛藤』
人と競い合う競技(スポーツやゲームなど)は勝ちを一番に考えるべきなのか、楽しむとはどういうことか、を胸に抱えたチーム。
圧倒的な力量差を見せられた時、後悔のないように楽しめればよいと割り切ろうとしつつも、心の中に負けたくない気持ちがせめぎ合う彼らはとても共感できるところが多かったです。
▼Team Pretty Stars(遊佐 硝子/矢継 才加/姉崎 航太) 『自分の意思』
例え最高と呼べる選択肢ではなくとも、自分がやりたいことをやろうとする彼ら。
意志を貫く彼らのセリフは、他の悩み葛藤するキャラクター達に響きます。
周囲に影響を与える役回りを三人共が持っているチームです。
▼Team Cock Robin(桜坂 空/黒根 真木/羽薪 葵) 『向上』
生まれや才能が決定的な差にはならない、を下剋上を持って証明しようとするチーム。
周囲を貶める最強など見返してやる、という少年漫画の主人公のような立場を持っています。
作中でも、超えるべき大きな壁として立ちはだかります。
▼Team Cardinals(水ヶ原 夜月/遺愛 妖花/藍住 ほたる・前半) 『リベンジ』
誰しもが、今の自分の境遇に満足しておらず、なんとかしてそこからの脱却を目指す。
実力と評価の祖語を埋めようとする人たちのチーム。
最強を手に入れようとする二人と、スランプに悩む一人。
▼Team Aero Parts(境 遼二/常盤木 蓮/イーリス) 『最強』
最強チームかつ、このゲームの魅力的な男性キャラクター二人を擁するチーム。
境遼二は主人公との因縁の相手であり、勝つことに対して一切の甘えと妥協を許さない。
それを証明することで、過去との決着をつけようとします。
▼Team Empty Owl(彼杵 柚/有佐 里亜/宝生 玻璃/藍住 ほたる・後半) 『成長』
ヒロインと主人公達の所属する主役チーム。
他のチームと戦い、対話し、勝利するたびに選手としても人間としても成長する。
視点的には彼女達が中心なのですが、見方が変わればどのチームも主人公として活躍できるキャラクターとして存在しています。
と、ここまで登場するほとんどのキャラクターが強烈な個性と想いを抱えており、主人公に返答する記号的なキャラクターではありません。
それは各視点の回想シーンなどで掘り下げが行われているところが大きいです。
MJS-stさん所属の声優さんたちもゲームに感情移入してくださっているので、ボイスも気合が入ったセリフが多々ありました。
今後パラレログラムに関する何らかの展開があるのを楽しみにしています。