簡潔。ノベルゲー初心者向けの1本。綺麗にまとまっていて楽しめたが、心に残る作品になるには尺が足りない……
ミアとタイラの物語として簡潔で、テンポも良くて読みやすかったので
こういう美少女ゲーライクなゲームの初心者におすすめの一本。
その分、Keyの有名どころ作品をやってきた古のオタクたちにとっては、
「なんであのキャラ、もっと活躍しないの?」
「え?もう終わり?もう少し世界観を描いて欲しかった」
という感じで、あまりにもあっさりしすぎな印象を受けると思う。
立ち絵とボイス、文字で進行するそのシステムから
美少女ゲーム≒キネティックノベル という感覚で認識されやすいが
LOOPERSをやった後の印象としては
美少女ゲーム:恋愛模様がメイン。恋愛シミュレーションと呼ばれるだけあって、ヒロインの魅力をどれだけ描くかが重視されるため、日常シーンなどシナリオ大枠に関係ないシーンでヒロインをプレイヤーに好きになってもらう。
キネティックノベル:物語としての展開がメイン。シナリオへ入り込む、つまり主人公へ感情移入するための必要最低限のイベントはあるが、ヒロインの魅力を最大限に描き切るというよりかは、物語の魅力の一部としてヒロインの魅力が描かれている。
というような方針の違いがあるように感じられた。(Keyの意向と合っているかはわからないけど)
近年のキャラの推しが強いライトノベルというよりかは
ラノベ黎明期の、ティーンズ文庫に近いワクワク感を重視したライトノベルの雰囲気。
設定としては使いまわせそうな世界観だし、まだまだ描けそうなサブキャラたちではあるので
もし本数売れて反響が大きいようであれば、
おそらくキネティックノベルではなく普通の小説として、スピンオフができそうな気もする。