エロゲで学ぶ日本史～平安時代末期編～ 正直そこら辺の本を読むより勉強になるんじゃというレベルでした。
現代から過去へタイムスリップするという点は忠臣蔵と同じですが、主人公が無名な人物ではなく源義経に成り代わるということでバッドエンド不可避ではないかと思っていましたが、各章でメインの史実、俗説、オリジナルとループ設定をうまく活かしたシナリオでとても面白かったです。まあ3章は妖怪大戦争みたいになっていたのでちょっとアレでしたが、全体通して史実に準拠しながら伝承などで説得力を補強していくところは相変わらず特徴的で、こよーて氏の知識量はすごいなと感じました。
あとは義経・頼朝の関係性の部分で良かれと思ってやった行動がすべて裏目に出てしまい、頼朝に疎まれていく義経の不運さ・悲哀の描写が非常に巧みで、まさに判官びいきになってしまいました。
一方で今作は主人公以外にヒロイン2人＋1人がタイムスリップしており、彼女らの知識量が半端ではなく頼りになりすぎてしまったことでやや雰囲気が緩くなった点がすこし不満かな。
個人的には史実をなぞった1章が一番気に入っています。