ぶっ飛んだシナリオになるかと思いきや,意外にお約束を踏まえたシナリオであった.
シナリオ:20/30
CG:10/20
音楽:14+1/20
ゲームシステム:13/30
総計:57+1
シナリオ:
ひたすらヲタの視点で繰り広げられるロボットモノのギャグゲーであった.イタいヲタを描き,読者を苦笑させながらも,話全体としては,悪の組織を倒したり囚われの彼女を救ったりと,「お約束」に従って進行していく.(中盤で魔法少女に変身できるようになってしまうので,それがちょっとした話のスパイスにはなっているが.)話全体としてはそんなに悪くは無いはずなのだ.
ただ,ゲームシステムをおろそかにできないためか,シナリオの分量が少なく,そのためなのか,シナリオ全体の印象も薄くなっている.エンディングは大きく3つに分かれるが,共通ルートが4分の3ほどもあり,各キャラから個別シナリオで魅力を引き出す,ということも出来なくなってしまっている.
読んでいて面白いし,素直に笑えるのだが,結局それだけで終わっているような印象があった.
それと,敵の女に対するHシーンが「ランス」のようになってしまっているのはまずいだろう.ただでさえランスのエロシーンは男がうるさいなどで抜けないと不評なのだから,もう一工夫したほうが良かったように思う.
CG:
可もなく不可もなく.
音楽:
なんか全体的に印象に残らない音楽だった.あえて耳に残らないような編曲をしているのかもしれないが,ギャグゲーらしく場を盛り上げて欲しかったところ.各キャラに曲が割り当てられてもいないし.
ちなみにこのBGM担当,かつては亡国国歌をアレンジしてランスのBGMにしたこともあり,小生パクりの腕はなかなかのものと見ている.今回もガッチ○マンに酷似した音楽を使ってるので,聴いてみると良いだろう.微妙に笑えたので主観点+1.
ゲームシステム:
個人的には面白いシステムではなかった.ロボットゲーはまったくやったことがないのだが,このようなシステムなのだろうか.工夫の跡は見られるものの,どうにも退屈だった.
それと,すべてのエンディングを見るためには,終盤の同じステージを繰り返し総計3回もやる羽目になるが,飛ばすなりして省略できないものだろうか.
プレイ動機と総括:
「アリスの館7」収録の「ぷろGRX」にバカウケしたので何とか探し出してプレイしてしまった.その後「らくえん」(TerraLunar, 2004)をプレイした後の今にして思えば,「ぷろすちゅーでんとGood」および「ぷろGRX」といった作品は,ヲタを風刺したようなどこか冷静な雰囲気があるようにも思えてきた.
逆に言えば,だからこそ”まだ”素直に笑える作品だったのかもしれない.