移動・戦闘・・・何もかもを運任せにするゲーム.でも,運が無い人でも確実にクリアできるレベルで安心.
シナリオ:25/30
CG:17+2/20
音楽:20+1/20
ゲームシステム:28+2/30
総計:90+5
シナリオ:
余計な情感表現を入れず,とにかく軽めなタッチで仕上げている.シナリオとして特に面白味があるわけではないが,まったり萌えられるので良し.
# 何故かフェリスの扱いは酷いけど.
なお,過去の作品はさほど必須ではないが,前もって「ランス~光を求めて~」のダイジェスト版をやっておいたほうが楽しめるだろう.(ALICE SOFTのランスVIのページで配布されていたはず.)
CG:
織音氏の原画が,コミカルなゲームの雰囲気にぴったりフィットしていたのが印象的だった.ゲーム起動直後,この原画を見て「買ってよかった」と心底思ったほどに.
今回のゲームではキャラデザなどCGのさまざまな役職を織音氏が兼任しており(する羽目になっており),全体の雰囲気も自然と統一したものになっていた.
背景は大したことが無く,この点のみ減点したが,人員が少ないし,これ以上求めるのはさすがに酷だろうか.
主観点+2.
音楽:
ラップ調にしてみたり女の喘ぎ声を用いてみたりと,遊び心のある軽い音楽が多かった.しかしどういうわけか,不思議とゲームの雰囲気から逸脱しているとまでは感じられなかった.
他のギャグゲーをプレイしていて頻繁に思うのだが,ギャグゲーの音楽は,ここまでいかずとも,もーちょいはっちゃけたものでも良いと思うのだが・・・.
主観点+1.
ゲームシステム:
当初は運が悪いとクリアできないと心配であったが,攻略法さえつかめればほぼ確実にクリアできる易しめのゲームであった.その辺のゲームバランスはよく取れていると思った.実に面白いシステムだった.また,本編の妖怪などが出るような奇天烈な雰囲気にも合っていた.
「易しめ」という意見に納得が行かないという人のために,念のため簡単な攻略法を載せておく.以下に留意すれば確実に最後まで到達できるだろう.
・各章の移動においては,とにかく早くゴールに行き,タイムボーナスで大量の経験値を得ることを考える.(基本的に敵と戦う必要は無い.)
・移動直前に自動セーブされるので,ルーレットが思わぬ場所に止まりそうであれば即[Alt] + [F4]あるいはメニューバーなどからゲームを終了し,再開してルーレットを回しなおす.
・右下の凡例にある任意の色の玉をクリックすれば,時間を1消費してルーレットの玉の色が1つだけランダムでクリックした玉の色になる.
・目虫を3章の最後までに確実に手に入れておく.各自の苦手な敵によるが,できれば5あたりが良いか?(あてな2号に石を持ち上げてもらう.)
・ランスは剣の攻撃レベルをひたすら上げ,ランスアタックを覚えておく.
・4章で時間袋を持っていたら,ギリギリまで粘ってアイテムなどを揃え,最後に時間袋で残り時間を戻してクリアし,大量のタイムボーナスを得る.
もっとも,1番目の項目にさえ気づけばあとはどうにかなってしまうレベルではないだろうか.運など無くとも自力でクリアできると思う.
セーブ無しでクリアを目指すモードなど,やり込みの要素もある.また,最終章にある20階建ての女の子モンスターの塔を制覇し,なおかつ最上階の金龍を捕獲することを目指すのも一興だろう.
個人的には,「こういうゲームもありか」と満足できたが,やはりランダム要素が強いとユーザーが置いてきぼりになりがちなので減点せざるを得ない.
ランダム要素の強いゲームシステムをあえて選んだ無謀さに敬意を表して主観点+2.
総評:
私の中では「ランスはバカゲー」という認識が強い.そのためか,ランスシリーズはこういう小物として出すほうが合っているのではないかと思えてくる.
そうした小物としては割合手軽に楽しめるゲームだった.