初めて手に取ったのは、去年の夏と後発組ではありますが、1年間この作品と付き合ってきて本当に良かった。点数は祭り囃し編単体のものではなく、ひぐらしのなくころに全体の評価とさせていただきます。
祭り囃し編感想
今回は、フィナーレということで。大風呂敷を広げておきながら、うまくまとめてくれたと思います。最後に巧く締める、というのはそれなりに難しいようで、今までプレイしてきたゲームなんかでも多々、最後にこういうシーンを入れてくれたらなぁ、最後がもう少し盛り上がればなぁという不満があったのですが、今回はそれがない。
まぁ、数年後、十数年後の彼らを見てみたかった気もしますが、それは贅沢ということで。
シリーズ全体の感想
サスペンス、あるいはミステリーとしては50点、ホラーとしては100点、物語としても100点といったところでしょうか。あれだけ大仰に思えた連続怪死事件『オヤシロさまの祟り』も、真相は大したものでもありませんでした。なぁんだ、みたいな。ほとんどが、秘密部隊と雛見沢症候群で説明がついてしまうので、拍子抜け。
ただ、個人的に私は推理モノとしてではなく、単純に物語(エンタメ)として楽しんだので、さほど不満には感じませんでした。ここら辺は、推理モノとしてプレイした方とは評価も異なるかもしれません(このシリーズは、目明し編以前と、罪滅ぼし編以降でだいぶ作風が異なってくるのですが、私は罪滅ぼし編以降の方を好んでいます)。
執拗とも言えるループと、実際に最初の『鬼隠し編』発売から『祭り囃し編』発売までの、現実に経過した年月のおかげで、最後の最後でループを打ち破った達成感こそが今作の肝ではないでしょうか。連載方式といいましょうか、一本のソフトとして出すのではなく小出しにしたことも、この『ひぐらし』という作品の楽しみを深めたのだと思います。
また、ライターの竜騎士07氏の文筆力は掛け値なしに素晴らしいと思いました。これだけミスリードに引っかかった経験は、ゲームではほぼ皆無。幅広い知識もうまく物語に活かしきっていました。
是非、彼の次回作にも期待したいところです。楽しい作品をありがとうございました。