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fcsolaris213さんのリアル妹がいる大泉くんのばあいの長文感想

ユーザー
fcsolaris213
ゲーム
リアル妹がいる大泉くんのばあい
ブランド
ALcotハニカム
得点
95
参照数
1407

一言コメント

なぜ自分にはリアル妹がいないのかと絶望した。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

それくらい栞の破壊力はすごかった。デレてからのかわいさったらなかった。



最初に、僕は鬱展開がとても苦手なので、ほとんど鬱展開のないこのゲームはそれだけで点数高めです。

麻衣ルート・美紀ルートでは隠されていた伏線を、栞ルートで共通ルートを栞視点、麻衣視点で描くことで回収していくのですが、特に栞視点での栞の隠していたお兄ちゃんへの感情を知るたび、自分の中でどんどん栞への庇護欲がどんどん高まっていきました。
そしてその後個別ルートに入った後は、隠していた感情を少しずつ出していくのですが、もう気分は自分が栞のお兄ちゃんみたいになっていて、心は妹愛で一杯になってるわけです。
もう栞ゲー過ぎ。

話は進み、お互いの気持ちを確認した二人は自然に男女の関係を結ぶ事になるのですが、実の兄弟の背徳感よりもむしろ、世界にたった二人しかいない兄妹の愛情を確かめ合うかのような、もしくは「子供の兄妹がする遊びのような」セックスは、とっても自然で幸せなことのように感じました。
また、周囲の友人(彰・美紀・麻衣)が二人の関係を祝福してくれていることも、実妹モノにありがちな鬱展開を遠ざけていて、純愛モノと割り切れる好シナリオだったと思います。
エンディングが、きちんとみんなが救われるハッピーエンドになっていることも好印象でした。

自分にとっては、今後、思い出した頃にまた何度でもプレーしたくなる良ゲーでした。
最後まで気の利いた演出や、幸せを感じられるシナリオ、読みやすく笑いのあるテキスト、綺麗なCGや立ち絵、BGM、声と演技、そして残念な開発手記まで、全部ひっくるめて魂のこもった作品だと思いました。

減点のポイントは栞シナリオで麻衣が割と空気だったところ。
栞と涼の関係を変化させるきっかけとしての存在だったとは思うのですが、もうちょっとうまく立ち回らせてあげて、存在感を出してあげても良かったんじゃないかなと思いました。
涼もいってましたが、仲間はずれにしてるみたいでちょっとかわいそうだったですし。