面白かった!のだけれど、不満も多く感じました。とりあえず芙蓉かわいいよ芙蓉 ※追記しました(2009/12/6)
かの名作「シンフォニック・レイン(SR)」を手がけたくろねこさんちーむ・西川真音氏と
「てのひらを、たいように」や「スズノネセブン」が好評だった冬雀氏の別名義である
北島夏氏のタッグによる今作品。
どの作品も人気が根強く、特にSRはここでもかなりの評価を得ていて
さぞ注目される作品なのだろうなぁ…と思いながら発売日が過ぎてみるとあら不思議。
全然、注目されてねえwww
ぐぐる様で検索かけてもプレイ感想なぞヒットせず、当然ここでコメントが挙がることもなく
冷め切ったユーザーのリアクションに戸惑いを覚えました。
まぁそんな与太話は置いておいて、感想感想。
ぶっちゃけ言いますと、自分は先ほど挙げたどの作品も未プレイです。
その上での感想ですので、めちゃくちゃ評価されているSRによってハードルが上がっている
わけではありません。期待値も含みつつ、少々甘めの感想となっていますのでご了承を。
全体で言うことがあるとすれば、「面白かったけど何かが足りない」ということですね。
以下項目ごとにコメント。
■シナリオ・テキスト
シナリオは和風伝奇モノですね、公式でも言われているように。
一周目がおそらくBAD直行の固定ルートです。ちょっぴり驚いた。
で、衣織→芙蓉・彩紀→3人娘→百夜という順番に自然となると思います(百夜のみ最後固定?)
割と共通ルートが長くて、個別に入るまで根気が要ります…ボイスもないし。
でも圧倒的に雰囲気が良い作品だったので、自分は苦になることなく進められました。
どうやら噂では3人娘ルートのみ北島氏が書かれていて、残りは西川氏ということらしいです。
その差もけっこうわかりやすくて、3人娘ルートのみ異色です、なぜか一番長いんですよねw
ちなみに他ルートは同じくらいの長さで、芙蓉と彩紀は対になっています。
で、この作品のお話、面白かったのか?と言われれば面白かったのですが
どうも消化不良・掘り下げ不足な点が多く、「もっと書いてくれればいいのに!」
という気持ちでいっぱいでした。特に百夜さんその後とかウソツキ絡みとか。
ウソツキなんて、作品名に「ウソツキと…」なんて入っているのに、全然重要な場面で
絡みません。まったく語られずに終わるので、残念だなーと。
ひとつひとつのシーンを思い返すとかなり印象深いものもあったのですが…
ボイスがなかったりここぞというところで一枚絵がなかったりで惜しい感じに。
もうちょっと掘り下げれば評価されそうなのになぁと感じて、
SRからのファンからすると全然物足りないんだろうなぁとか思いました。
それでも、救いはやはり雰囲気。
和風伝奇モノとしての体裁は十分整っていて、個人的には凄く好きですね。
公式サイトから読み取れるネタもあるので、伝記モノがお好きな方にはお勧め。
■グラフィック
北千里さんは存じ上げませんでしたが、あんましピンとこない絵柄でした。嫌いじゃないけど。
それよりも気になったのは一枚絵の数。差分を考えずに31枚です…
昨今のエロゲに慣れ過ぎているのでしょうか、すごく…少ないです…(を
絵自体は悪くないのになぁ、残念。
■音楽・ボイス
雰囲気が良い、とシナリオ項でも言いましたが、音楽ありきと言っても過言じゃないです。
SRに関しては岡崎律子という協力なバックが居たため、より一層評価も高まったのでしょうが
今作は、まぁ世には知られないだろうけど、良質なBGMが使われていると思います。
日常シーンからシリアスなシーンまで、違和感なく寄り添ってくれました。
ボイスは付いてないので省略。
ただ、ドラマCDのキャストで付けていたら評価がガラっと変わったかも…惜しい。
■システム・演出
システムは全画面ノベル形式ですね。
さして難しいプログラムは使われていないです。
しかし既読スキップとかウィンドウ消しのキーがなぜかキーボード依存です。
これ、意外と不便でして…普段は右クリックからやっちゃう人なので。
いちいち説明書見ないとどのキーが対応しているかわかりませんでした…
まぁ。当たり前だけど。
演出は特筆できる点はないかなぁ。
あえて言えば、小手先っぽい立ち絵の目パチですねwww
■キャラクター
けっこう地味キャラばかりです。
というか、使い古されたキャラ(性格)が多いかも。
特に衣織とか衣織とか衣織とか。完全にどっかで見たことあるよこの義妹…
個人的には芙蓉・彩紀のコンビが一押し。特に芙蓉はかわいかったですね。
■総括
うーん、正直SRファンには勧め辛い出来だったかな、と。
別にお話が面白くないから、というわけじゃないんです。
SRファンはかなりハードルを上げて今作に望むであろうから、です。
しかもその他のところでもあんましピンときてないですし。ボイスないしCG少ないし。
まぁそんなとこで値段分の価値を決めずとも、面白ければすべて良しなんじゃね?
と言われると確かにそうなのですが、昨今のギャルゲ事情に慣れすぎた僕には
惜しい!と思わされる材料ばかりでした…。
そのあたりを詰めればもうちょっと注目されて、評価される作品になったのかも、と思います。
結論。
SRファンは別に手を出さなくてもよさげ。
でも雰囲気は良い和風伝奇モノなので、気になる方はぜひ中古価格が落ち着いたらご購入を!(えー
コンプ日:2009年11月29日
※追記※
12月4日に公式サイトにて秘密のページにて「スペシャル・アペンド・プログラム」が公開。
それに伴ないちょろっと追記します。
パッチの主な追加内容としては、「犬彦編」の追加でした。
まさに!今作をプレイした方々なら誰しもが欲しがるであろう犬彦ルートですが
パッチを当てるとほぼ全テキストの既読判定が消えちゃいますので注意(未確認ですが、今の所)。
何で消えるのかといいますと、犬彦が実は雌だった、というところに起因しますが
もしシナリオ自体に変化がなくテキストのみ修正されているのであるとしたら、
もっと既読判定を残していて欲しかったですね。修正内容の確認が手間だし。
犬彦編の内容そのものについてですが、まぁほぼ今作の不明な点について明らかになります。
かと言って何かカタルシスを得られるかというと、あんましなかったなぁというのが正直な印象。
この世界の核心は「犬彦の望む世界」で、ウソツキとの契約に基づくループ物だったわけですが、
プレイヤーが実感しないループ物ほど滑稽なものはないなぁ、と思いました。回数も少ないし。
もっと見せ方を考えて構成し、最初から追加分を入れておけば作品的に化けていたかもしれないです。
プレイ時間は約2時間程。その他既読判定がクリアされた部分(既存のシナリオ)は未確認です。
でもまぁ、犬彦の雌verが見られただけでも良かったのかな。
超かわいかったですよ犬彦、これでようやく「ウソツキと犬神憑き」っぽい作品になりましたね(を
ふと、今作をコンプして「歌月十夜」のことを思い出しました。
あれの方が上手くやっていたなーという意味でですが。
再コンプ日:2009年12月6日