誰も間違っていなかったのに...
大災害によって狂ってしまった世界を描いている作品、瀬戸口さんシナリオということで購入してみました。狂気度で言えばノーマルENDあたりは行きすぎ感もありますが実際そういう事になるんだろうなと思ってしまうような場面も多々ありました。
各キャラクターがそれぞれ持つ性格が綺麗に分かれておりあるものはそれを一貫して通し、あるものは全く逆になってしまうこともありました。真逆になってしまったキャラクターである鍬形は物語序盤では死体や死、反道徳的行為に強い抵抗感を示し、あくまで理知的に生き抜こうとする田能村と衝突していましたが、中盤以降、希美を助けるためにその気はなかったとはいえ殺人を犯し、強姦された恐怖から外界との接触を拒む彼女の支えとなるために殺しや略奪も辞さないと覚悟を決めました。さらに大智の会との抗争が本格化してきた段階では非常に好戦的になり声の演技も変わりもはや別人ではないかとさえ思いました。しかしこのどう猛な平時ならば絶対悪としてみなされるような鍬形の行動がこの作品に置いては相対的な悪としてしかみなされていないようにこの世界に置いて絶対的な善悪はありません。司と柚香の考えの対立も決着が着いてはいますがそれは形式的なものであり白黒はっきりさせたというわけではありません。狂った世界、瀬戸口さん感が出ているのはTrueよりもノーマルENDだなと感じましたが、すべての√がよかったです