イチモツがデカい有能主人公とワケあり姉妹の同棲生活(美人上司もいる)作品。海外パブリッシャーということでローカライズの不安もあったが、その点の違和感は弱めでスルスル読めるテキストだった。エロについては非常にクオリティが高く、モーション系の動きのチープさ加減にイラつくかと思いきやそんなことも全くなかった。抜きゲー枠でありつつもほんのりシナリオがあり、キャラ萌えに繋がる要素やギャグを散りばめていたのもいい感じ。
シナリオはまずまず。この点を全く期待していなかったため、何かそれらしいものがあるというだけでもギャップで評価したくなってしまう。香澄・綾子・雫の三者それぞれが抱える問題も軽めではあるがアイデンティティの問題としてそれなりに深刻であり、ほどよいシリアスさを出していた。
ただ、最後のヒロインを選ぶ段階での父親とのやり取りがワンパターンだった点は、軽めとは言え周回作業をしたユーザー視点では不完全燃焼であった。ハーレム√が何もおいしいところなく終わった点も含め、アフターなりFDなりが発売してほしいところ。
テキストについては概ねローカライズが上手くいっていた。ヒロインの発言として不自然と思われるのは、綾子の「キミのチンポに魅了されちゃって....」的なセリフ(ギャルは「魅了」より「メロメロ」のほうがまだ言いそうだろう)ぐらいで、他に違和感はなかったと思われる。日英中に限らない多言語対応をしており、個別の言語の翻訳クオリティはわからないが、この姿勢は評価できるだろう。
エロシーンの実用性が非常に高いことが何よりも高評価。モーションはモーションでワンパターンな動きとなりチープな印象を受けそうなところ、ループするモーションの尺自体が結構あり、また動きの緩急も手動ではあるがつけられるということで、ワンパターンであることを認識しづらい構成になっている点が工夫されている。欲を言えば、連続でエッチできるならそれなりの差分が欲しいところではあった。例えば前の穴と後ろの穴両方が使えるシーンでは中出しされた精液が別の穴を使っているときも中には残っていたが、外見上はその状態がリセットされており没入感を減衰させていた。また、コンドーム描写があるなら一回出したら交換するなどの演出はリアリティとしても、エロス目的としてもあってよかったのではないか。
ゲームシステムがかなり親切な点も評価したい。イベントの発生条件を教えてくれるだけでなく、そもそもバッドエンド回収のような「苦行」が排されていることが嬉しい。やらなければいいと言われればそれまでだが、それでもやってしまうユーザーも一定数いる。
日数制限がない点、日曜にジャンプできるアイテムが追加される点も親切設計の極みで抜きゲーとしてのツボをわかっていると感じた。
ちなみに主題歌であるSummerCloverの「私たち幸せを運ぶ四葉のクローバーみたいだね」という歌詞は、素直に読んだら静子が蚊帳の外になってしまうが、そこは考えてはいけない領域なのかもしれない。
総じて、海外パブリッシャーの抜きゲーということでエロ方面の規制がないことを期待して購入したが、キャラ萌えもできて満足度の高い作品だった。