歴史の強烈なストレートを食らい続けました
(途中)ランスシリーズは数年エロゲをやっていれば当然に名前を聞くタイトルでした。当時(数年前)、あまりにも当然のようにエロゲ史に横たわっていたこのシリーズを、私は歴史のある作品というよりもカビの生えたおっさんしかやらないコンテンツであると解釈していました。そういうことなのであえて触れることもなく時は過ぎて行ったのですが、数ヶ月前ふと思い立ち、鬼畜王ランスをダウンロードしました。そこからあれよあれよとのめり込みこの10をプレイしクリアするに至りました。
いやすごすぎる。すごいとしか良いようがなかったです。10のみの感想にしたほうがよりこの場に適していると思われるので割愛しますがとにかくすごい。すごいすごい言ってもなにも伝わらないので以下分けて感想。
・シナリオ
中々辛い。というのも1周目では計画的にやっても人類滅亡当たり前のこのゲームでは、何度も何度も女の子が酷い目に会うところを見ることになるからです。9のバッドエンドで抜けるので問題ないと思っていたのですが、何度もゼスが崩壊してマジックが肉便器になるところを見るのは流石に堪えました、戦姫は興奮したのに。バッドエンドをさておくと一部は最後以外いつものランスで楽しかったです。いや絶対勝てないだろと思われる魔人をセコく、時には正面からぶった切るランスの英雄ぶりにしびれました。リズナも酷い目にあった代わりに二部でその分の負債を回収できているみたいで救われました。
二部においては主人公であるエールが実はルドラサウムであり、世界をプレイヤーとして体験するという設定は鬼畜王ランスではラスボス扱いのキャラクターであっただけにこれも衝撃を受けました。最終作ならば創造神をどうにかして超克しようとすることは容易に想像できるわけですが、まさかプレイヤーとして我々と同じ視点に立たせる(もしくは私たちがルドラサウムになる)とは思いもしませんでした。神が人間を知ることで考えを改めるという流れはことさら新奇なものではありませんがランスで来るとは...。また、全編二人称で書き切られていたことも素直にすごいと思います。終始あなた呼びされると調子が狂うのもまた事実なのですが、終盤のランスやシーラ、クルックーは二人称であるからこそ特に刺さる言葉を発しており、改めて二人称のテキストの魅力を勉強させて貰いました。
ちなみにランスシリーズ全般に言えそうな、特に二部では特に顕著な登場人物だけで世界が回っているような世界観は批判できなくもないですがナンセンスでしょう。ランスが魔王ランスとして滅茶苦茶やったことの責任どうすんだ、という部分を詰めることはアリスソフトも、またランスをずっと追いかけてきたユーザーも特に求めていないでしょう。
・ゲームシステム
唯一のマイナス要素。しかしプラスである時もありました。カードを集めて戦うこと自体に不満はなく、やたら戦闘が長い9よりはずっと好みでした。が、問題は難易度。一部は特に難しすぎて舌打ちする場面が多々ありました。1周目はゲームのシステムが理解できずなすすべ無く人類滅亡、2周目は無理矢理海から√を攻略しようとして詰みのセーブデータが。結局楽になったのは4周目くらいからで、それでも魔界大侵攻ルートは兵数管理に何度も失敗して数ターン前のデータをロードする羽目に。これは私がゲームが下手だからというのも勿論あるのですが、それを差し引いても難しすぎるこのゲームのせいでしょう、みんなそう言ってるし。ある程度うまく育成が出来ても戦闘を当たりが出るまでやり直さなければいけない場合があるなど、正直ゲームとしてどうなのかと思う瞬間もありました。ランスじゃなければ途中でアンインストールするレベル。ただ一方で、人類と魔人の圧倒的な戦力差を痛感し、ギリギリの戦いを常に演出し熱くしてくれたのもこの難易度でした。その点はプラス。ちなみに2部では短いシナリオをしっかり読ませるためかゲーム部分はだいぶ楽になっていてスルスルいけました。