絵・声優・OPは良かった。シナリオに関してはイマイチ、学園らしいイベントも無くドタバタ感と盛り上がりに欠ける。「にーちゃん!にーちゃん!もっと構って!」と甘えまくる駄妹がすごく可愛かったのでキャラゲーと見るならそこそこ。
妹ルートの途中までプレイですが、ひとまず評価。後で加筆するかも。
【キャラ・CG】
ヒロイン:キャラデザに関しては全く不満なし。全員可愛くて性格も良いので好印象、CG・塗りも良かった。
ただしどのヒロインもメタ発言を頻発に言うし、ゲーム用語やエロゲ内容に関する会話に普通に入ってくる。
「えっ?そっち方面に全く抵抗無いヒロインばかりなの?」ということで最初かなり困惑した。
パロコメディ満載の作品と割り切れば楽しめるが、普通の学園モノ&学園ヒロインを希望する人にはマイナスになると感じた。
主人公:家事万能のうえ、他者に気配りもしっかりできる。基本スペックは高い。ただし根幹が定まっておらず、
(1)過去のトラウマから人と接するのが苦手
※その割には面識少ないヒロインともすぐ気さくに会話できる
(2)過去のトラウマから縁を失うのを恐れて、他者と深い縁を結びたがらない
※そのように何度も押す割にはその意識が軽い。
「深い縁を結びたいとは思うけど、昔のトラウマあるし、俺ってヘタレだし」と考えているイメージが強い。
一方で幼馴染達や妹は「主人公は人付き合い苦手」にかなり気を遣ってくれているので、主人公が滑稽にうつる。
一方でそのトラウマ話(妹は気遣って長年その話を聞くことができなかった)を会って間もない転校生に語るので、
「そんな簡単に話すの!?実はすごく軽いトラウマなの!?」と更に主人公が滑稽にうつる。
(3)トラウマの一件から巫女の幼馴染と疎遠になっていた、あまり話したくないと考えていた
※その割には、桔梗の一件があったときにはまるで昨日まで親しくしていたかのように会話している。
それなりに疎遠だったことへのたどたどしさが全く感じられない。
などなど、主人公の人間性がよく見えない。そのため主人公の言動にうまく感情移入ができなかった。
時々トラウマを言い訳にして、何となくで人付き合いを嫌がっているだけの主人公に見えるため印象が悪い。
「すごくヘタレでダメな主人公(だけどヒロインとのフラグ立てのために最後には男を見せる!)」
もしくは
「深刻なトラウマのため、深い人間関係は絶対につくろうとしない主人公・・・ヒロインがそんな主人公を変えていく」
のどちらかに統一していれば印象悪くなかったと思う。
【シナリオ】
付喪神の桔梗様と強い縁で強制的に結ばれてしまい、桔梗と離れることができなくなってしまった主人公。
「それを解除するにはより強い縁を誰かと結ぶしかない!」
深い縁を嫌う主人公(仮)と、深い縁を結ばせようとするヒロインのドタバタコメディが今始まる。・・・という話。
強い縁を結ぶため恋フラグを立てよう! という流れのはずなのに、
少なくとも共通ルートで頑張るのは学生のヒロイン達だけ、主人公からは進んで何かをしようとはしません。
付喪神の桔梗様も縁結びのためにわざわざやってきたにも関わらず恋フラグ立ては全く頑張りません、むしろ平然とフラグ折ります。
→主人公はともかく、付喪神の桔梗様はもっと恋フラグ立てしようと奔走して欲しかった。
イベントあるごとに画策して、ヒロイン巻き込んで、そして大失敗して、という感じのストーリーでドタバタコメディにした方が盛り上がったと思う。
映画館にデート行って二人きりになるとか、体育祭や学園祭を通じてヒロインとの距離が縮まるとか、お金持ち幼馴染の計らいでみんなで温泉旅行に行くとか、そういうイベントが圧倒的に足りない。
※共通ルートの大きなイベントは、デート(行って帰ってくるだけの描写)とお泊り試験勉強ぐらいしかない。
【システム】
共通ルート終了後の選択肢1回のみで好きなヒロインを選んで分岐。
※4人クリアしてもお金持ち幼馴染の二上 聖ルートが追加されることはないらしい。
【Hシーン】
ヒロイン4人に各6シーンずつ。
※お金持ち幼馴染の二上 聖 のHシーンは無い。
【その他】
・時系列がおかしいところが時々あった。
(「桔梗さんが夕御飯担当のシフトに入ってくれて助かる」の会話の後に「桔梗さんが料理を作りたいと言った・・・失敗しないか心配だ」の会話がある、など)
・幼馴染2号の二上 聖 と恋フラグ立てができないバグがあるらしい。(巫女幼馴染ルート行けば何か理由ある?)
幼馴染&おっとり系&お金持ち&あざとい、と他ヒロインにない個性も多数所持。主人公をいじりたがる姉妹もいる。
ヒロイン以外ではこのキャラだけ唯一立ち絵あり、登場頻度も主人公達との絡みも他ヒロインとほぼ遜色ない。
これだけヒロイン要素詰まっていながら選択肢に登場しない。神様にはもっと縁結び頑張って欲しい。
・このメタ要素満載の世界観で「兄妹がすごく仲良くしているのはキモい」とよく言われるらしいのが違和感だった。
「兄妹は仲が悪いのが当たり前」というかなり偏見入っているように感じた。仲が良い兄妹がいてもいいじゃない。
・桔梗との縁により、桔梗と一定以上離れると強制的に近づくよう瞬間移動してしまう。
主人公はその仕様と適用距離を把握しているのに、桔梗を連れずに神社へジュースを買いに行く(→瞬間移動)、
桔梗とは別行動でヒロインと帰ろうとする(→瞬間移動)、などの行動をとるのが意味不明だった。
【総評】
絵、声優さんの演技、OP・音楽に関してはかなり良かった。
ただしシナリオに関しては難あり。「恋フラグを立てようとして起きるドタバタコメディ」が弱すぎること、
「恋フラグを立てることに主人公が消極的」という設定が活きていないことが主な要因。
『恋フラグを立てようとして失敗した桔梗様が縁となって仲良くなったヒロイン達との特に盛り上がりもない学園生活』
が率直な印象。普通の学園モノやシナリオゲーを期待している人には合わないと思います。
少なくとも駄作ではない。だが題材に対して内容薄めのため他人には勧めづらい作品であり、一般的な平凡作の中央点:70点ほどの点数はつけられない。
ただ キャラゲー と割り切ってプレイするなら悪くない。兄にひたすら構って欲しがる妹が特にキャラ立ちしているので、このキャラを気に入った人にはそれなりに楽しめるはず。