メガストア5月号収録記念に。作品紹介などで見られる強烈なインパクトの割に、作中の動きはかなり地味なものですが、はまっちゃうと抜け出せません。
未プレイでご興味のある方は、まずは公式サイトをご覧ください。
http://13cm.jp/game/suki/
＞ひたすら彼女に優しく接し、その愛を得ようとするする男と、
＞怯え、絶望し、狂気へと駆り立てられていく無力な少女。
本作はこれ以上もこれ以下でもないというか。
イベントが目白押しな作品ではありません。
（多彩なエンディングなので全く無い訳ではないですが）
ひたすら似たような状況が続き、心情的には三歩進んだかと思えば、
次にはいきなり五歩下がって…なんてことを繰り返して。
グラフィックも地味なことも相まって、退屈な印象を受けるかもしれません。
そんな本作なので、どこまで没入できるかが鍵になるでしょう。
この手のエロゲでは「ヒロインは好きだが主人公はちょっと……」と言う感想を抱く作品もありますが、
本作は主人公・ヒロインどちらにも感情移入できるかが重要となります。
前述の通り、めまぐるしく展開が変わる作品ではありません。
時間の経過、あるいは会話によって、主人公がさらに悩んだり、蒲乃菜が混乱したりする作品です。
そんな、感情の動きを楽しむだけあって、特異な状況を受け入れられないと楽しめないでしょう。
とはいえ、現実でそうそう起きないシチュエーションなわけで。
最初は状況に戸惑い、居心地が悪くなるという出発点は蒲乃菜もプレイヤーも同じです。
しかし、プレイしているうちにその居心地の悪さは薄れていくはず。
そう思わせるパワーは本作にはあります。
エンディングも、驚きの展開はありません。
しかし、前に積み重ねてきたことを振り返ると、妙に納得のいくオチばかりというか。
宝くじは買わない人に当たらないのです。
心情描写、シナリオの流れ、オチ等すべてが気に入りました。
「変わっている作品」だし「地味な作品」でもありますが、興味があれば。
※追記
Wikipediaの「エンディング」という項目でEDの内容まで言及されていて、ネタバレになり得ます。
また、13cm公式の攻略資料も、ページ後半の「Hシーン早見表」が若干ネタバレ…？
気になる方は、お気を付けください。