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elevenさんのSugar+Spice!の長文感想

ユーザー
eleven
ゲーム
Sugar+Spice!
ブランド
Chuablesoft
得点
90
参照数
1932

一言コメント

やればできる子チュアブルソフト。まだまだやれるさチュアブルソフト。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ele「はい。というわけでチュアブルの三作目シュガスパなわけですけど。どうでした?クリアして」
ven「あー結構面白かったですね。チュアブルやれば出来るじゃんって感じ。まあクリアといってもまだ通常イベント4つほど未消化なんですけどね」
ele「イベントって全部でいくつあるんでしたっけ」
ven「今のところ527個ですね。いやーヒロイン5人攻略するのに10週は確実にしてますね」
ele「周回プレイ前提で作られてますもんね。そこの所どうです?」
ven「イベントスキップ機能がついてるので、まあ特に苦じゃなかったですね。ただムービーが飛ばせないのはちょっときついかなと。何回も見たくなるような出来でもないので。歌も特に印象的なのはこれといってなかったかな」
ele「イベントの出来はどうでした?」
ven「四季折々のイベント、学校行事、日々の生活様相ととにかく盛りだくさんでしたね。イベント自体はそう長いものじゃないので「いつまで続くんだー。イライラ」とストレスを募らせることなくこなしていけました」
ele「なんか前々作のpure×cureを思い出しますね」
ven「あー。ていうかシステム的にはpure×cureの焼き直しかと。副音声システムとかは面白かったです。臨場感がよく出てた。でまあ診察クイズに取って代わったのが告白システムかなーと」
eve「シュガスパの売りの一つですね。出来はどうでした」
ven「よかったと思いますよー。攻略方法を見つけるまではかなりどきどきさせられました。振られると普通にへこみましたね。ヒロインによっては一回ふられなくちゃダメとか程よく凝ってました」
ele「では、大成功ですね」
ven「いや、どうでしょうね」
ele「というと」
ven「告白システム自体はいいんですけど、その後がどうも。告白成功または失敗してもその後の通常イベントに全く変化が見られないんですよ。例えば告白失敗後だったら普通ちょっとは気まずくなったりするもんじゃないですか。そういうのが全くなくいつもどおりなのはちょっとどうかなあと。誰かと付き合ってる状態でも普通に他の子のイベント見れて好感度もなんかあがるし。まあ、そこは攻略も楽になって助かったっていうのはありますけど」
ele「というとヒロインの誰かと付き合いはじめても他の女の子を遊んだりできるってことですか」
ven「ええ。ただ告白システムは誰かと恋人になった時点でOFFになっちゃうんですけどね」
ele「えっ。じゃあ。ハーレムENDは」
ven「ないですないです。これそういうゲームじゃないですし。オールクリア後に皆仲良しENDがおまけで見れる程度です」
ele「はあ。それはがっかりですね」
ven「ただ主人公の日常がすでにハーレムなんでハーレム気分は堪能できますよ。というかあれですね。もうあそこまでいくと仲の良い一夫多妻状況ですよ」
ele「詳しくお願いします」
ven「んーなんていうか。雰囲気ですかね。pure×cureやあまなつもそうでしたけどヒロイン達の仲が良いんですよこれ。仲がよすぎるくらい。イベントのほとんどにチュアブルお得意の「みんな仲良しあだ名時空」が展開されます。これがまあ居心地いいんですよ」
ele「ははあ。そういうのが肌に合わない人はチュアブルは全くダメでしょうね」
ven「ええ。キモチワルイと捉える人もいるんじゃないですかね。誰かとくっついた場合、主人公がその場いようがいまいがお構いなく「まだしてないのか」とか「やっちゃったのか」とか平気で話題に上りますしね。あの空気はチュアブルにしかだせないんじゃないでしょうか」
ele「ふむふむ。これはベタ褒めと受け取っていいんでしょうか」
ven「いいですよー。私ああいうの大好きなんで。虚構の世界くらいはあれくらいでいいんです。はい。現実なんてクソですよ」
ele「それじゃ、つまらないので、なにか一言下さい。あと後半の台詞あとでカットしますね」
ven「ええとそうですね。ヒロイン同士仲が良いのをこのままメーカーカラーにするのならそれはそれで良いけど、次は新しいことやってもいいかもしれませんね。今回のであだ名時空はほぼ上限値に達した感もありますしってな所でしょうか」
ele「ふむふむ。ゲーム全体の出来はいかがでしたか?」
ven「特に不満に思うような点はなかったですね。システムに必要なものは揃っていましたしCGは綺麗で立ち絵のバリエーションも豊富で見てて飽きないつくりになっているし、相変わらず丁寧に作っている印象を受けました。あとさっきも言いましたけど音楽関係はとくに見るべき点はなかったですね。そこはちょっと残念かな」
ele「そうですか。ではそろそろ各ヒロインについてお願いします」
ven「これはもう言うことないですね。細かい所まで設定を作りこんであるし、それを存分に生かしたイベントで、もうこれでもかっていうくらい魅せてきます。自分でも驚きですが、ハズレの子が一人もいませんでした」
ele「萌えまくりですか?」
ven「萌えまくりです」
ele「ずばりお気に入りのヒロインは」
ven「ハモジジオトメピョンミャンマー」
ele「全員?」
ven「yes」
ele「あーではシナリオいきましょうか。ひとりずつお願いします」
ven「じゃあ、まずはハモとジジから」
ele「おい」
ven「いやこの二人セットじゃないとダメなんですよ」
ele「ほほう。なにかありそうですね。どうぞ。」
ven「まずハモは正統派の同級生ヒロインかと思ったら幼馴染属性も持ってた子です。おまけに難病をかかえてたりして、ついでになんとなんと主人公の事故の原因」
ele「それはなんていうかすごいですね」
ven「ええ。もうもってけ泥棒状態です。難病シナリオはもうやめようぜチュアブルでしたね。今回はちゃんとしたハッピーENDだからいいですけど」
ele「さりげなく毒はきましたね。まあいいですけど。それでジジは」
ven「ああはいはい。ジジあらためずっきーですね。この娘はシナリオも」
ele「ちょちょちょっとストップストップ」*ずっきーはpure×cureのヒロインの一人
ven「なんです?」
ele「えーと。なんか怒ってます?」
ven「いや全然そんなことないですよ。主人公とハモ・ジジ親友同士の三角関係。ジジは皆のお姉さん的立ち位置。家族の長姉。主人公が好きだけどどうしようもなくて主人公を罵倒しちゃったり、自ルートでは肝心なところで一番の親友がネックになるって。おいおい。これずっきーシナリオ焼き直しか?なんて全然思ってませんよ?」
ele「もしかして、ハモとジジ嫌いなんですか?」
ven「そんなことないですよ。さっきもいいましたけど、ヒロインたちはどの娘も魅力的です。ただハモとジジは焼き直し感が漂いまくりなのが・・・ね? ああ誤解されるとあれなんでいっておくとシナリオ自体は綺麗にまとまって決して悪い出来じゃないですよ。ハモとジジのシナリオはお互い表裏をなすシナリオとしてよく出来ていますしね。全部に言えることですけど下手に冗長だったりしない分好印象です」
ele「なるほど。初見さんには問題なさそうですね。では次はどの子いきましょうか」
ven「オトメですね。まあこの子は俗に言う妹キャラですね。正直プレイ前はスルー対象でした」
ele「ああ。ロリ系は苦手なんでしたっけ?」
ven「ええ。ただやっていただければわかると思うんですけど、この子の破壊力はスゲーです。何より声がヤバイ。声優さん上手すぎ。チュアブルは声優さん選ぶの上手だと常々思ってましたけど、この子は全作品中トップといってもいいです。萌え系ロリキャラ特有の変に媚びたところがないのもポイント高いですね」
ele「シナリオはどうでした」
ven「主人公の記憶喪失設定を生かした良いシナリオではあったかと。ベタですけどね。一応この子のシナリオだけなんですよね。主人公の記憶喪失が完全に直るのって。そういう意味ではスッキリしたかなと」
ele「そういえば、この子の場合、主人公に告白する話もあると聞きましたが」
ven「ありますねー。ステージ上からこう震えながら、それでも精一杯勇気を振り絞ってですねグス。告白してくるわけですよグスグス」
ele「どうぞ」
ven「グス。どうも。チーン」
ele「返さなくていいですから。えーでは次行きましょうか」
ven「すみませんね。次はピョンで」
ele「元気爆発体育会系の女の子ですね」
ven「ええ。最初の頃「ミャンマーミャンマー」叫び続けるイベントがあって、うわー頭よわい子かー。スルーだなとか思ったんですけどねー」
ele「スルーできなかったんですね」
ven「ええ。アホの子なんですけどアホの子じゃない。この絶妙のバランスにメロメロになりましたねえ。こういうキャラ設定の上手さが本作の良いところですね」
ele「(メロメロ・・・)」
ven「巨乳という自分の武器をちゃんとわかっている点もポイント高いですね。ズバリ健康的にエロイ娘でした。裸Yシャツ装備で雌ひょうポーズで迫られてはもう降参するしかなかったですねー」
ele「雌ひょうはいいですね。シナリオはどうでした?」
ven「同居から別離に至るまでを上手く描いてましたね。お互いしっかりと未来を見据える点はとても良かったかと。エピローグははるさめっぽかったですけどね」*はるさめはあまなつのヒロインの一人
ele「あくまで、前作や前々作を持ち出しますか。ウザいですねー」
ven「まあ、初作からこのメーカーを追いかけている者としてはしゃーないんです。それにあくまで最後のちょっと大人になったピョンがはるさめとかぶったように感じただけで・・・・・・あれ? でもはるさめシナリオも確か別離だったよな。ていうか同じ元気っ子だし」
ele「あ、暗雲漂ってきましたね。えー、初見には問題ないってことでいいですか?」
ven「え、ええ問題ないですね。ピョンとオトメは過去の因縁などない恋愛物語として楽しめるかと。記憶も、一方は戻って、一方は戻らずと上手く対になってますしね」
ele「なるほど。では最後はミャンマーですね」
ven「この娘は最強の幼馴染ですね。容姿が好みだったのと、あとなんかラスボスっぽいので最後までとっておいた娘です。腑抜けた立ち絵は面白すぎました」
ele「ああエクトプラズム出すらしいですね。というかラスボスですか」
ven「初っ端はこの娘にすごい嫌われてましたからね。こりゃ過去によっぽどのことがあったんだなと」
ele「でどうでしたか」
ven「まーくん」
ele「はい?」
ven「まーくん」
ele「えーと。つまり殴れと」
ven「いやいやそうでなく。まーくんなんですよ。仲直りしてくるとまーくんとか呼んでくれんですけど、それがねえ。いやーはっはっは」
ele「はあ。つまり最高だっと」
ven「はっはっは」
ele「あー、はいはい。シナリオはどうでした?」
ven「いやー、ミャンマーの一途さには泣けました。他人には大人になれと言っておきながら実は一番幼い恋愛模様を展開していたバランスの悪さもギャップ萌えでえがったですわ。全ては主人公がだらしないのが原因。ミャンマーは何も悪くありません。内容自体もちょっと昔のボクシングものを貫き通した姿勢に乾杯です」
ele「また、意味不明に言いきりましたね」
ven「それはもうね。あんなエチシーン見せられたらそうなりますって。普段は自分のこと「私」っていうのに盛り上がってくると「藍衣」って言うのには身悶えましたねー。ウハハ」
ele「え、えーと。ああ丁度いいですね。最後はエロについてにいきましょうか。どうでした?」
ven「全体的に尺短すぎ。テキストとCGで抜く人にはちときついかと。キャラ萌えして脳内で色々補完できる人なら悪くないんじゃないでしょうか。一人五シーン用意されていますけど、挿入までいってるのは二、三シーンであとは手コキやパイズリとかですね。純粋なバックが少ないのは純愛系だからしゃーないのかな。アナルエチはミャンマーとの一回だけ。あそうそう倫ちゃん先生とのHもありましたね。まあこれもシチュはよかったんだけれどやっぱ尺がねー」
ele「全体的にエロは及第点ってところでしょうか」
ven「うーん。まあそんな感じですねー。尺もそうですけど、もうちょっとラブラブHシーンがあってもよかったような。MAPのラブホもっと使おうぜと」
ele「萌えゲーだからってエロなめんなですね」
ven「努力はしてると思うんですけどね。シチュはそれなりに数ありましたし。ただ抜けるかというとまた別問題なわけで。ぶちゃけ前戯足りないのはいただけないかな。もっとおっぱいいじろーぜ、とか。あとあや姉とのエチがなかったのは純粋に残念」
ele「純粋もなにもない気がしますけど。ではそろそろ時間なのでまとめてください」
ven「やれば出来る子チュアブルソフト。真価が問われるのはおそらく次です。がんばって」
ele「ありがとうございました」