一部システムに難があるものの、それ以外はすべてが高いレベルでまとまっているので、学園物が好きな人など多くの人にお勧めできるものだと思います。
まず、CGや画面の美麗さは「Ⅰ」より格段に進歩しています。
「Ⅰ」をプレイした直後に「Ⅱ」を始めたのでちょっと感動しました。
CGは少ないように感じますが、その分、立ち絵の演出に凝っていて、
後ろ向き、振り向き様、横顔等を使い、擬似的にアニメを見ている気分にさせられます。
システム面は、やはりというか、親切設計ではありません。最低限のものは揃っていますが、
AUTO機能がついていません。これは「Ⅰ」からなぜか付いてないですね。
ここまで演出できるプログラム技術があるのなら、システムも極め細やかなものが作れそうなのですが。
こだわりなのでしょうか?(*オート機能ありました。気づかなかった・・・)
肝心の主人公は、まあモテキャラですね。モテ要素持ちまくりの鈍感キャラ、男女ともに人望あり。女性キャラの好感度は、はじめから高い、と。
こういう主人公はもうウンザリだという人はゲームをとっとと売っぱらいましょう。
前作の主人公同様「他人の夢を見させられる力」と「和菓子を生み出す力」を持っていますが、
加えて、その出生に秘密をもっています。
ヒロインを攻略してゆくごとに、主人公への謎が深まる展開はなかなかよろしかったです。
肝心のシナリオにいきましょう。
全体的に三部構成となっており、
前作ではおさなりでぶつぎり気味だった日常パートがしっかり描かれいます。
おかげで、学園生活の雰囲気がつかみやすく、ドタバタ学園物が好きな人には、はまれる出来栄えです。
ヒロインたちとは時間をかけて仲良くなっていくので、性格がつかみやすく、感情移入しやすいつくりとなっています。
また、どのヒロインルートでも他の女の子が絡んでくれるので、キャラへの興味が増し次ルートへの意欲を盛り立てられます。
本筋には関係ありませんが、目覚ましなど、小道具を使った演出にも色々手が入っています。
印象としては、Ⅰを引継ぎつつ、総合的に数ランク上に仕上げたといったところでしょうか。
ヒロインたちについては特に言うことはありません。
前作のヒロインたちの焼き直しと言えるシナリオもありますが、総じて丁寧に作られているので問題はない出来でしょう。
ですが、前作と同じ失敗を繰り返してしまったシナリオもあります。
朝倉姉妹です。
朝倉姉妹シナリオの最後で、「唐突に主人公が・・・・・・」する展開は、一切の説明がないので、
プレイヤーを置いてけぼりにします。盛り上がった気持ちが台無しになります。
これは、すべてのルートをクリアすると現れる(?)、「D.C.」で物語の謎を解き明かすために、仕方がなかったのかもしれませんが、
はたして、この演出方法が最良であったのかは疑問が残ります。
そして、一番の問題点は、このゲームの本当の主人公が、義之でも、音姫でもなく、芳乃さくらであるということでしょう。
こんな、さくらちゃんは見たくなかったよ。うわーん。
これがメーカーが私たちに提示した前作の結末だというのが、私を深い絶望に落としました。
他にも問題点や疑問がないわけでもありませんが、それを踏まえつつ、「楽しく遊べた」ので100点を付けたいと思います。
まとめ。
これは芳乃さくらの物語であった。
そして、これから続くさくらの物語なのかもしれない。くそったれ。