これほど、個別ルートがいらないと思ったのははじめてかも。内容云々じゃなくて、『主人公が「男」として「女」と結ばれる』という結末がいらない。そんなことを思ってしまうくらい、このなんでも出来る女装主人公が女として学園で過ごす風景は面白おかしかった。ただこれは、「既知の内容なので安心して楽しめる」という類の面白さであることは明記しておく。「おとボク」の世界をより確かなものにした正統な続編として評価できるが、正統であることにこだわりすぎたのか手堅くまとめた印象が強い作品。
雑感を色々
まあ、ぶっちゃマリみて大好きなんでおとボクも無条件で受け入れ態勢Okなわけで、
「うはーもうどんどんやってくれ」状態なので、なにを書けばいいのやら。
とはいえそれじゃあんまりなので特にいいなあと思ったことなど。
・とにかく描写が丁寧な点はかなり好印象です。
この「2人のエルダー」では、「暖かで優しい世界」を「丁寧に言葉で紡いでいく」という点にかなり力を入れていますね。
用語やその注釈、会話、地の文章ひとつとっても手抜きが見受けられない。
「おとボク」の世界観を壊さないよういやむしろ強固に、ちょっとやそっとでは崩れないようにしようというライターさんの情熱を感じました。
上記を含めたゲーム全体の作りとして、本家って言っていいのかあれだけど、マリみてを凌ぐくらい「お嬢様」ってものに拘っている点は、実に素晴らしいですね。
・まあ褒めてばっかりでもあれなので
初音ルートが無かったのは素直に残念だなと。
何で無いのですかねえ。邪推したいけれどまあやめておこう。
・あとエロシーンのネグリジェどうにかしろっ。
共通ルートでお姉さまな日々をすごしてきて、すっかり牙を抜かれていた所に、突如として首をもたげる主人公の「男」にとまどいつつもなんだかんだでエロシーンに突入
したと思ったら目に飛び込んできたのは、あのフリフリのネグリジェですよ。
頭ふっとんだわ。
まああれだ。
ああいうことはもっとやってくれ。
面白いから(笑
・システム関係、これね。
素で驚いた。
前作からほとんど変わってない、悪い意味で。
「2」を出す前に、何作も出しているのにこれはないんじゃないかなと。
必要最低限の機能があればいいってものでもないと思うんだよブランドの知名度的に。
細かくいじくりまわす必要もないゲームだけど、それでもねえ。
こんなところですかねー。
率直にいって話の筋は前作の焼き直しみたいなものなので、前作以上の点をつけるのは厳しいです。
しかしながら、前作をとっても楽しめちゃった者としては、今作もめっちゃ楽しめたので、うん、まあ高得点でいいかなと。
そう、こまけえことはいいんだよっ。楽しめたもん勝ちだぜっ。
2010.10.29 一部修正