(GiveUp) 積みにあったのを崩したが、儀式部分で突っ込みどころが多すぎる。
設定の肝である儀式はキャラクターに人狼的な推理戦をやらせそれぞれの能力や動機や記憶などの推理をプレイヤーにも促しつつ、ある意味表面上それなりにやっているメンバーの内心と人間関係を見せたいのかなとは思う。だが突っ込みどころが多すぎてそれどころじゃない。
そもそものところ儀式の回数に制限がなく恋心は主にしか返せない、外れても選んだ人間、選ばれた人間双方にペナルティはほぼ(初恋が戻る、能力がなくなる、次回から発言権がなくなるがそれらがペナルティになるかはそれぞれによるが、そんな描写もほとんどない)ない。さらに全員が儀式をやることには協力している以上総当りで最高でも五週間で終わり、絶対にいつかは主が見つかるという設定の大穴がある。
人狼をリアルでやるのと違い誰かが死ぬわけでもなく、ゲームとして勝ち負けを競っているわけでもない。嫌がろうがなんだろうが参加してしまった以上最終的には恋心は戻り、能力もなくなることが最初から決まっている。なのになんでこの人たちは主を悲壮感たっぷりに他人に押し付けようとしたり、主であることを必死に嫌がったり、はったりをかけたりしているのだろう。
まるで演技過剰なナルシストたちの劇を見ているかのようで、だんだんとどころか急速に冷めていく。
そしてこの設定の穴があるからこそ儀式に参加する動機と行動、考え方がチグハグに見えてしまう。
みちる=恋心の主は自分ではないが見つかったら困る。
ある意味ヒロイン以外の三人と同じふわふわした立場。
このキャラについては本人の考えや立場的に儀式に関しての立場が他のサブと同じ観客か邪魔をする者の中間でしかないので、行動に関してはむしろ矛盾があっても困らないキャラ。なので行動そのものは気にならない。
この子にセーラの恋心が戻ったらまずいと突発的に邪魔することがあるがしかし彼女が本当に気にするべきことは、絶対に主にいつか恋心が戻るということだろう。
一時的に邪魔をしても意味がない。本当に恋心が主に戻ってほしくない、邪魔したいというのなら儀式に参加しないが答えになってしまう。性格上不参加は無理でもそれらに対して葛藤したり考えたりすることは一切ない。
楪=能力を消したい。
記憶はどうでもいいと言っている以上一回目が終わった時点で全員に自分を指定するように工作すればいい。それで主であろうがなかろうが能力は消える。ぶっつけ本番な初回はともかく恋心の持ち主が自分であれ他の人物であれ選ばれれば能力は消えるのは、真央子の結果からわかっているのだからそれで終わりである。
儀式に関して彼女の能力が発動していたならともかくそういう描写は見られない。発動していたらしていたでも儀式関係への意欲であるならやりようはいくらでもある。
結局恋心を本人以外に押し付けることはできない以上自分が主でないことを祈るしかなく、とっとと自分を選び、かつ選ばせて外れで能力を消すか恋心の主だっとしてもそうして儀式を終わらせて能力を消す以外の選択肢がそもそも用意されていない。それで葛藤するというのならば理解もできるが。一刻でも早く能力を消したいようなことを言ってはいるけど最悪でも五週で終わるから焦っていないというのもありえるが、そうなると悲壮感出しすぎ。
佳津美=これ以上罪を重ねない。
本人は自分が恋心の主だと思っているが、たからこそ一番「?」なキャラであり何がしたいのかまったくわからない。同時に前述の主を押し付けあう理由をわからなくした根本。理路の存在がそれに拍車をかけている。
他のキャラに押し付けたいのは兄に恋をしたという罪を重ねないためだが、参加した時点で能力が消えていつか全員に記憶が戻ることは決定(もしかしたら記憶は戻らなかったかもしれないが)しているし、彼女自身は自分が恋心の主であると思っている以上、どれだけ他の人に押し付けようとしても外れたらもう一度な以上いつかは返されることも参加した時点でやはり決定している。回数制限があるならまだ違うのだが。
そもそものところ向き合うと決める前の彼女は儀式参加を拒否すべきだった。もちろん参加しないことが彼女の言う罪を重ねることにあたってしまうのかもしれないが、どうであれ参加してしまった以上いずれはぶち当たるのである。そのため雁字搦めになったことで葛藤するのであれば理解もできるがそんな描写はない。
突発的な行動、思考をしているみちるはともかく、模試全国トップクラスのはずの二人がこれはない。
やはりペナルティや回数制限がないことが緊迫感など薄れさせる。悲壮感や推理が逆に滑稽に見えてしまう。
完全に冷め切り二度目の儀式後にギブアップ。このあとにもしかしたら回数制限とか楪の能力の対象などが出てくるのかもしれないが、それまでもたなかった。
ないなら完全に茶番。