終盤は面白かったんだけど不満点も多く、考えれば考えるほど点数が下がる作品。
◆悪い点
・タイムスリップについて
主人公が何故タイムスリップしたのかは明かされず。
時震が意図せず発生したから~みたいな理由であまりにも雑。ここははっきりとした理由付けをする部分だろ。
他にも疑問符を感じる部分も多い。歪みを正さないと戻れないという設定だったにも関わらず、
主人公が回避したテロ事件による歪みはそのままでも未来へ戻れる等。
・加藤について
最期があっけない。こんだけ用意周到なことをして大層なことをのたまっておきながら、
親殺しのパラドックスを考慮しなかったのはあまりにもダサい。
また、加藤が2110年でどういう境遇にあったのかは明かされない。
何故歴史を変えようと思ったのかはちゃんと掘り下げて欲しかった。
・恋愛要素について
タイトルに恋とついてるのに恋愛描写が不十分でいささか雑。
殆どのヒロインとの恋愛感情の変化の描写がおざなり。いつの間にか相思相愛になってる印象を受ける。
これが一因してか、各ヒロインにあまり魅力を感じなかった。
・シナリオの抑揚について
終盤は面白かったがそこに至るまでは退屈。全体的に冗長さを感じた。
謎を暴くシーン等、ところどころ面白くなる場面もあったがすぐに失速してしまうのが残念。
終盤エロシーンラッシュになる枝もあったりと、テンポも良くない。
・蓮について
ヒロインであるにも関わらずサブキャラと比べてもシナリオ上の見せ場が殆ど無い。
正直、居なくてもシナリオ上問題無かったのでは?と思えてしまう程。
・メリッサ編でのあれこれについて
3時間ほど前に隣の隣の部屋で死体を目撃したのに性行為に及ぶ有様。メンタルと倫理観どうなってんねん。
自分らも狙われるかもしれないという状況でイチャイチャしてる場合じゃないだろう。
更にその次の日も新たな死人が出たのに性行為。もうだめだこいつら。
◆良い点
・意外性をついたトリックなどはそれなりに面白かった。
設定や伏線も良い意味で裏切られたものもあり、よく考え付いたなと思う。
・サブキャラがなかなか個性的であり、見せ場もそれなりに用意されている。
◆まとめ
タイムスリップについては現代でも解明されてないので説得力を持たせたもん勝ちだと思うが、
このゲームは設定面で色々なところをなあなあに済ませてる部分が目に付くので説得力が弱い。
この辺は解釈次第なんだろうけど自分はスッキリしなかった。
また、恋愛要素についても枝を渡るという設定と相性が良くなかったようにも感じる。
枝を渡る度にいちいち同じシナリオを読ませるのはテンポが悪いので端折ったと思われるのだが、
そのせいでヒロインとの恋愛感情の変化まで省略されてしまったように感じる。
総評としては、終盤はそれなり面白かったんだけど後になって色々考えてみると粗が見えてくるような作品。
謎解きものとしてはともかく、恋愛やタイムスリップものとしては正直オススメしかねる。