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dvddaysさんのこの世界の向こうでの長文感想

ユーザー
dvddays
ゲーム
この世界の向こうで
ブランド
ORANGE YELL
得点
89
参照数
2366

一言コメント

間違いなく『余命三ヶ月の少女を救う物語』だった。含みはあるが。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

たまたま他のゲームで知っているライターがシナリオをやっていたのと、
体験版が面白かったのと、KAKERUの絵が気になったので購入。
総評としてはかなり面白かった。

このゲームは『余命三ヶ月の少女を救う物語』。
間違いなくその通りの内容ではあったけど、
それは主人公がではなく鈴璃という裏の主人公が、という部分は特に面白かった。

ループものでもあって後から考えてみれば伏線はかなりあったと思う。
特にかざりが見える人間だった、という設定を最後にしっていろいろと考えさせられた。
かざりは本当にいろんなものを抱えていたキャラクターだったと感じた。
ラストの選択肢で見られるキャラクター毎のエピローグで、かざりはさすがに泣いた。
主人公と麻雀をしているシーンは大爆笑した。

トーコルートは体験版ではわからない可愛さがたくさん入っていた。
あずにゃんって台詞はさすがに大丈夫かと思ったけど。
死神という存在が名前を聞いて思いつく像とは違うものだったというのも面白かったと思う。
トーコのエピローグはかなり面白かった。

鈴璃ルートはロリコンな主人公に笑った。
物語の最初から好感度マックスに感じた理由もわかって驚くラストだった。
作品中では一番可愛いキャラクターだったと思う。
どこかに書いてあったけどどうして鈴璃の特典がなかったのか不思議。
鈴璃可愛いよ鈴璃。

小難しい設定が最後にたくさん出てきたけど、わからなくてもなんとかなる内容だった。
主人公がループするためにかざりを惨殺したシーンは大爆笑した。
ラストは間違いなく賛否両論になるだろうと感じた。
個人的には許せたけどだめな人にはだめなんだろうなきっと。
地雷だと思う人は絶対いると思う。

気になった点としては音楽とシーンが合ってない部分があった気がする。
サントラを聴いてみたけどコミカルな曲がなかったからそのせいかな。
ラストはもっと決定づけて欲しかったかなとも思う。

とにかくヒロインと主人公のかけあいが見事だった。
それだけにもっとヒロイン同士の絡みが見たかった気がする。
世界観も好みで設定をそのままで学園ものがやってみたい。
このライターには普通の学園ラブコメを作って欲しいかも。