シンプルでマーベラスな王道の恋愛です。なにせバイトの動機が彼女が欲しい唯一つ。それなのにナンパに走らない節度ある距離感を保ちつつ徐々にお近づきなっていく過程が丁寧に描かれている。
主人公は無趣味でも、実妹を世話する主夫であり、バイトを真面目にこなす紳士で評価も高い。
とくに会話の流れが寸断されないスムーズさ、脳内で思ったことを（プレイヤーが読んだあとに）カッコ書きでもう一度しゃべらせずに、脳内応答をヒロインが聞いたという”てい”でストレスなく会話が進む親切設計。
なので冗長で退屈な普通の会話も読み手の苦痛がない。もちろん退屈な会話が中だるみする人には起伏がないかもしれない。
それと飲食業にありきたりなお客トラブルが一つしかなくて、ほんわかとした気分で過ごせるタイトルに偽りのない雰囲気を維持。
基本的にイチャラブ全開。カップルになったらどの娘もベッタベタ。
そんな中でも終始元気一筋、櫛無のバカっぽくて飽きないやり取りが他愛もないことなのに腑に落ちる。
しかも珍しくかしまし娘にありがちの影が一切ないのが新鮮でそこも良い。
あと妹が他ヒロインをライバル視をしているもののほぼ干渉していこない良い子なのだ。
そんなわけで櫛無推し。このシナリオの８割ぐらいが理想の付き合い方だと再認識できた。
あとイラストは好きな範疇だけど、３人の釣鐘型が奇乳に見えるのと、櫛無の立ち絵がカバン常備だったのが気になった。実妹はスキップしてエンドだけ見ました。減点は嗜好に合わないだけなので90はつけたい良作です。