トノイケ作品はまるで無農薬野菜のようだ。非常に心地よく安心してプレイすることが出来る。ただ、如何せん栽培に手間隙をかけすぎなのが、出荷を待ち望むユーザーにとっては玉に瑕だ
瑠璃シナリオが完成してからレビューしようと思っていたのですが、もうとりあえず書きます。
だって修正Ver3.00っていうから、瑠璃シナリオやっときたかと思ったのに、違うんですもん……。
というわけで、瑠璃シナリオが完成したら、また後日追記する可能性もありますが、
完成がいつになるかまた不明になってきたため、いったん現時点での感想を書かせて頂きます。
発売時から現在までの経過などを考慮しなければ非常に心地良く暖かい作品だと思います。
シナリオのどこを取っても毒らしい毒がないというか、これといったストーリーの起伏もなく、
ただ世界観や登場人物などといった雰囲気だけで満足させられるのはさすがといったところ。
雰囲気ゲーや癒しゲーなどが好きな人にはたまらないですね。
前作『ワンコとリリー』も非常に素晴らしい作品でしたが、もう少し長く作品に浸っていたい
という、ボリューム面での不満……というか、物足りなさがないわけではありませんでした。
その点、本作はまだ瑠璃シナリオを残しているとはいえ、ボリュームのみについていうならば、
現時点でも未完成とは思えないほど充実していると思います。
だからといって瑠璃シナリオが必要ないということにはなりませんけどね、ルラーなので。
さて、それでは個別シナリオに関してですが、まずヒロインは皆安定して可愛いのですが、
やはり内容にはライターの差がかなり大きく出ますねー。
絵里香、愛という好きなヒロインの担当ライターがトノなので、大して不満はありませんが。
前向きに評価するならば、絵里香と愛ルートに関しては大満足といったところでしょうか。
とにかく何気なく読んでいるだけでも心地良い、すごく穏やかで幸せな気分になれます。
まあ、絵里香ルートはややイチャラブ成分が強すぎる（特に差し替え分）ような気もしますが、
愛ルートは絵里香ルート以上にバランスが良く、完成度はかなりのものだと思います。
しりとりでの「めーめー」だけでも悶絶できるほどの破壊力を秘めた内容でした。
あざみ、小夜、春日姉妹ルートも決して悪くはないですし、安心してプレイすることはできますが、
やはり「キャラの魅力」という部分に依存しているところが強いかなという気はしますね。
あと、追加された絵里香シナリオですが、前ルートをプレイした人なら必ずしもプレイする必要はないかなと。
なにせ前ルートをプレイしてから時間が経過しているので、完全に変更ポイントを記憶している
というわけではありませんが、重要な部分での変更はありませんし声もありませんので。
一応覚えているところではホオズキ市や文化祭などといったイベント毎に修正が加わっているのと、
エッチシーンでのエロ成分がちょっと強くなっていたような気がします、特にラスト。
あと導入部も変更されていたのですが、個人的にはこれまでの共通パートからでも十分な気がしました。
また、画野朗さんの絵や安瀬＆Ducaコンビの音楽もこれまた最高。
絵と音楽だけでも作品の雰囲気の良さが伝わってきますからね。
ただ出来ればデモだけでなく、『アイの庭』はOPムービー付きで流して欲しかったかなと。
気付かないうちにOPスキップしてしまったんじゃないかと思った記憶があります……。
正直、気持ち的な部分だけで言えば愛ルートと絵里香ルートだけでも満点にしたい気もしますが、
さすがにどう考えても未完成で発売した作品を「完成していた」というメーカーサイドの言い訳など、
見るに耐えないところもあったので、幾分かは減点させていただきます。
作品そのものに対する評価ではありませんが、十分関係することですしね、あとルラーなので。
まあ、とにかくトノは早く瑠璃シナリオを仕上げちゃって下さいということで〆たいと思います。